2024/11/10
シマノ自転車博物館が主催する「こんな自転車欲しかってん」コンテストの最終審査会が開催されました。
自転車を視点に社会課題の解決を考えるコンテスト。今回のテーマは「明るい未来をつくる自転車」です。ポイントは論理的思考力。「明るい」や「未来」を如何に考え、その問題やビジョンをロジカルに検討することが求められる、ちょっと難しいコンテストです。
今年で17回目の開催。全国から2040名の応募がありました。審査委員長を拝命し10年以上。今回も、小中学生がとらえたさまざまな社会が描かれ、彼ら・彼女らが考える社会・問題の視点が表出。審査ではございますが、色々な気づきをもらうことが出来ました。結果は11月16日(土)にHPで公表されます。受賞作品もwebで公開されますので、ご関心がございましたら、ぜひご覧頂けましたら幸いです。
https://www.bikemuse.jp/event/planning/
2024/11/9
DOSを開催。テーマは「2040年に住みたい岐阜市をつくるには?」。中高生が1日かけて政策を立案し、政治家と共に議論を行いました。
まず、レクチャー「社会を科学的に見る?」(附属・岸先生)からスタート。漫画を使いながら、「最も有名な」というフレーズが如何に多義的かを考え、次に「社会を評価する?」(美濃中・前田先生)というレクチャーへ。価値観の多様性を体感しました。
その後、主に都市交通を視点に、岐阜市政・県政を分析。歴史、人口動態、産業などの分析や、岐阜市が表明する将来ビジョンを批判的に分析。それを踏まえ、政策を立案・発表しました。参加してくれた政治家は3名、超党派。子ども達は、各々から発せられる「政策の具体性がない」「現状分析が甘い」「バス行政の改革の難しさを如何に分析しているのか」「特区政策の業種や範囲はどこか」等の厳しい質問へ対峙。議論を繰り返す中で、政策をブラッシュアップし、最終発表。5つの班が、それぞれ「市役所周辺の住宅地化計画」「岐阜錬金政策」など、刺激的なネーミングと共に、魅力的な政策を立案。最後は、投票を行い終結しました。
子ども達は主に東海圏内から参加。必ずしも岐阜に縁が無い方もおりましたが、会場は午前中から熱気あふれる展開へ。午後に入ると子どもの多くが立ち上がり、皆で対話・議論が展開。最後には(初めてかな?)私との写真撮影まで求めて頂きました(笑)。
数ヶ月をかけて準備をしてきたプロジェクト。ゼミ生を中心としながら、多くのご協力の賜物で開催が出来ました。採択を頂いた日本学術振興会、後援の岐阜県教育委員会はもちろんですが、特に、岸先生、前田先生、三浦先生(岐阜県教育委員会)、加藤先生(岐阜高校)、大坪先生・松尾先生・高木先生(附属学校)、林先生には多大なるご尽力を賜りました。また、県内の中高からも多数の先生の参観(最後にはコメントも)もございました。多くの方に支えて頂き開催が出来ましたことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
2024/11/8
明日開催するDiscuss Our Societyへ向け、準備を。ゼミ生と共に、会場設営、リハーサルを行いました。
無事、会場は整いました。明日お越しいただく方々は、お気をつけてお越しくださいませ。皆様とお会い出来ることを楽しみにしております。
2024/11/7
先日の講演が、以下で掲載されておりました。
「無意識の思い込みに注意」中日新聞 11月1日朝刊
ご関心がございましたら、ぜひご覧いただけましたら幸いです。
2024/11/5
週末に開催するDiscuss Our Society。本年度の衣装が届きました。学生がデザイン・注文してくれました。
例年はパーカーをつくることが多いですが、今年はheavy weightのロンT。今年の気候に合わせ、ちょうど良い衣装となりました。特徴としては、(例年は色を揃えますが)、今年は各々が希望の色を羽織ること。このバラバラ感(いや、多様性を認めた寛容なスタンス)が、我がゼミらしく、気に入っております。
連日、関係の方々からはメールやLINEが頻繁に流れております。お忙しい中のご尽力に感謝しております。大学側も、引き続き準備を進めたいと思います。
2024/11/3
昨日は、附属学校の公開研究会。附属は令和2年に研究開発学校の指定を受け、新領域「どう生きるか」を創設。最終年度としての発表が行われました。
当方は、前期課程(小学校)3年生の授業を見学。授業者は社会科の岩田先生。PBL的な授業で、4月からスタートしたプロジェクト(花の栽培を通して、問題解決力、関係構築力、貢献する人間性を育成する)を実施し、それに対する成果と課題を検討する授業でした。
概ね、プロジェクトに好意的なスタンスをとる子どもたちに対して、岩田先生は「プロジェクトの義務化」を提案。しかし、子どもたちは反発。時間をかけて、子ども間、子どもと教師の対話が行われ、本プロジェクトが持つ教育的・社会的な意味(協働的な花の栽培が持つ教育的な意義、他者との人間関係を如何につくるか、プロジェクトが持つ教育的な価値、社会の人へ与えるインパクト、学校と社会がつながる意味等)を検討する流れでした。いつもながら、岩田先生の授業は面白い。多くのことを学ばせて頂きました。
2024/10/31
本日は、主権者教育アドバイザー(総務省)の仕事で揖斐高校へ。以下のテーマで講演をいたしました。
「私は、社会に巻き込まれている?」
対象は高校2・3年生。話は揖斐川町都市計画マスタープラン、町で実施された各種選挙の投票率からスタートし、音楽の話題へ。身の回りのサブカルチャーを事例に、自身が社会や政治へ如何に「関わっているか」、ではなく「巻き込まれているのか」という視点でお話しをさせて頂きました。
時間が足りずにチャイムが鳴ってしまい、残念。ただ、チャイム後も生徒の目がこちらへ向いていたことを嬉しく感じました。本日の話が、少しでも彼ら・彼女らへ響いてくれたらと思います。
2024/10/29
会議のため、霞ヶ関へ。
週末の衆院選は勝者がいない戦いでしたが、街は意外な程静か。嵐の前の・・・なのかもしれません。引き続き、政治の行方を注視して参りたいと思います。
色々な仕事がございますので、自身の業務に集中したいと思います。
2024/10/27
先日は、講演@福井県若狭高校(教員研修会)。以下のテーマでお話しをさせて頂きました。
「主体性をはぐくむ学びのあり方」
"日本一の探究の学校"と言われる若狭高校。すでにP4Cや対話を取り入れた学びを進められております。今回は、特に指導と評価の一体化や教科(領域)の連携がオーダーでした。
主に学校(もしくは学び)における評価の考え方(測定ではなく、ガイド・コンパスとしての評価軸)を核に据えながら、色々な授業実践の成果と課題を。裏テーマは「学びにおける演技(performance)の解体」。如何に生徒を自律的に授業へ巻き込み、彼らの本音をベースに授業をドライブさせてゆくか。仲間と共に進めている挑戦をベースにしながら、実践のあり方についてお話しをさせて頂きました。
多くのスライドを準備しすぎてしまい、時間を超過。時間厳守ができずに反省しておりましたが、講演直後に社会系教科の教員から「岐阜への視察依頼」が。関心を持って頂き嬉しく思いました。小坂先生、ご依頼ありがとうございました。引き続き、繋がってまいりましょう(motorcycleのお誘いもお待ちしております)。
2024/10/25
過日は、Novolt(高める会)による、衆院選マニフェスト検討会を開催しました。
まずは、選挙公約を比較・分析し、候補者が置いている重点項目・ターゲット世代を分析。候補者や政党のwebsiteやSNSも読み込みながら、その後は大学生目線で、それぞれのマニフェストに足りない視点を検討致しました。
政策と財源の関係、同様の主張(例えば、選択的夫婦別氏(姓))における微細な違いなどを議論しながら、話は“選ぶことの難しさ”へ。政策の実現可能性、人柄、長期的な社会のビジョン、選挙時以外の市民・社会への関わり方など、多数の視点が。結論は出ませんでしたが、難しさを楽しむことの意味をも議論することが出来ました。Novoltのメンバー、刺激的な会をありがとうございました。
2024/10/24
昨日は、11月に実施するDiscuss Our Societyの打ち合わせ。
前田先生(美濃中学校)、三浦先生(岐阜県教育委員会)、岸先生・大坪先生(附属中学校)、矢島先生(クアラルンプール日本人学校)、加藤先生(岐阜高校)、市議会議員、我がゼミ生が参加。
今回のテーマは、"交通政策を通して社会を考える"こと。終日かけて行うプログラムですので、全体の流れ、および中学生と政治家を如何に論争へ導くか、色々と打ち合わせを行いました。遅い時間からスタートでしたが、100分強をかけて熱くディスカッション。市政の分析枠組み、論理的な立論構造を如何に描くか等、様々な視点から検討を行いました。
当日の展開は、ある程度「完成」していたと思っておりました。・・・が、諸先生方の指摘を受け、大きくブラッシュアップが必要であることを自覚。あと2週間、我が優秀なゼミ生を中心に努めてまいりたいと思います。
それにしても、先生方がDOSへ本気で参画してくれることがとても嬉しい!先生方の視点や指摘はもちろんですが、暖かく愛のある関わり方に心より感謝しています。関係の方々、引き続きご指導よろしくお願い申し上げます。
2024/10/22
以下の記事が掲載されました。
「若年層の投票率向上『成功体験』で」朝日新聞2024年10月22日 朝刊(名古屋版)
https://www.asahi.com/articles/ASSBP13H9SBPOHGB00CM.html(デジタル版)
過日取材を受け、丁寧にまとめて下さいました。ご関心がございましたら、ご一読いただけましたら幸いです。
2024/10/20
久々の休日!9月、10月と色々と立て込み土日も埋まっておりましたが、日曜日は終日休み。色々と考えた結果、自宅(ベランダ)の掃除を。高圧洗浄機をフル活用し、数年をかけて折り重なった黒カビや苔と対峙。無事、裸足で歩ける(と思える)レベルまで綺麗になりました。
・・・いや、関係の方々。もちろん、査読の仕事も忘れておりません。しっかりと努めますので、もう少々お時間を頂けましたら幸いです。
写真は、朝、犬の散歩で訪れた自宅近所の散歩道。すっかり秋の気配でございました。
2024/10/18
本日は、宮城教育大学上廣倫理教育アカデミーの運営委員会。残念ながら現地参加が叶わず、オンラインで参加。前期の中間報告が行われました。
組織としてのミッション、課題解決へ向けた現状報告を伺い、大学と行政、学校が機能的に連携し、着実にその成果を上げておられることを感じました。また、宮城県内において、対話やP4Cが小中だけでなく、高等学校へも広がり、さらに特別支援教育領域ではさらなる研究が展開されていることを拝聴。大変勉強をさせて頂きました。
今回は叶いませんでしたが、次回はぜひ対面で参加をし、共に議論の熱さを共有したいと思います。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
2024/10/17
大学講義。4年生後期の講義では、日本の社会科教育実践を見つめ直すため、海外の社会科教育を事例に取り上げます。
年度によって変えておりますが、本年度は米国社会科の分析。standardと共にTeaching the College, Career, and Civic Life Framework, Part2を事例にしながら、社会科カリキュラムの特質を分析します。
本日は、学生が日米のスタンダードを比較し、その違いを発表。地歴公の関係や、歴史教育のスタンスの違いに触れており、面白い発表でございました。後半は文献講読を行います。引き続き、楽しみにしております。
2024/10/15
本日は、以下へ参加致しました。
James A. Banks "Global Migration, Failed Citizenship, and the Quest for Equity(The Education University of Hong Kong)
学校教育内のシティズンシップ"教育"が持つ暴力性や危うさに着目しながら、生徒が地域社会や国家、世界における不平等に挑戦し、公正で民主的な社会を創造することの重要性を指摘。興味深いのは、そこで必要な資質としてのCare。私たちは、failed citizenshipを如何に反省し、transformativeへと移行出来るのか。非常に示唆に富んだ内容でした。
パネルや質疑応答ではidentityやnationalismに関する議論も。現地の研究者より、香港の研究環境と政治に関しては色々と伺っておりましたので、かなり踏み込んだ議論。刺激的な会でございました。
2024/10/12
この度、早稲田大学マニフェスト研究所が主催する第19回マニフェスト大賞(シティズンシップ部門)にて、Novolt(高める会)が優秀賞を受賞いたしました。
受賞したテーマは、以下になります。
小学生が「権力の監視」を考える ー大学生・学校・選管・大学がコラボした授業設計・実施・検証ー
今後は、11月15日に虎ノ門ヒルズで開催される授賞式にてプレゼン。そこで最優秀賞のセレクションが行われます。私は参加が出来ませんが、Novoltの学生がオンラインで実施予定です。授賞式はオンラインでも中継されるとのこと。詳細は以下、早稲田大学マニフェスト研究所のwebsiteにございます。
http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/docs/2024092700011/
なお、「みんなで決める「特別賞」」というものもあり、現在投票が開始されています。ご関心がございましたら、ぜひご覧いただけましたら幸いです。https://maniken.online/vote/
2024/10/10
先日は、岐阜高校で授業実践を行いました。授業者は加藤先生。テーマはメディアと大衆。歴史総合の授業でP4Cを行いました。
まず、歴史的な文脈で新聞・雑誌、映画などと大衆の関係を分析し、マスメディアと大衆の関係を捉えます。その後は各自が問いを立て、問いの選択から対話へ。
「もしメディアがなかったらどうなっていたか」「過去、現在、未来におけるメディアの移り変わり」「メディアが流す情報に制限は必要か」「現代社会におけるメディアのあるべき姿は」など、興味深い問いが並びました。全体の対話は、我々はメディアに何を求めているのか、またメディアのあるべき姿=市民のあるべき姿、という興味深い展開となりました。
当日は、元岐阜高校の教員である三浦先生も参加。授業後のディスカッションでは、本授業をベースとした次の展開も相談が出来、建設的な場となりました。加藤先生、ありがとうございました。引き続き、進めてまいりましょう!
2024/10/8
11月に開催するDiscuss Our Societyですが、おかげさまでsold out(満員御礼)となりました。ありがとうございました。
ただ、締め切り前に定員となってしまった関係で、希望される方は若干名のみ受付させて頂く形となりました。ご希望の方は、以下へご連絡をお願いします(日本学術振興会のHP、QRコードからの申し込みは出来ません)。
岐阜大学教育学部総務係
参加される方々の期待に沿える様、準備を進めたいと思います。関係の方々、引き続きよろしくお願いいたします。
2024/10/7
週末は、博士課程の集中講義。西村先生(広島文教大学)、新立先生(大阪府立守口東高校)が参加されました。
講義は3部構成。第1部は、バーナード・クリックとガート・ビースタの文献を読みながら、シティズンシップ教育に対する異なる考え方の検討。第2部は飛騨牛を堪能。第3部は、それらを踏まえてご自身の研究を再検討することでした。
西村先生は、「歴史の教訓化」をキーワードに、高校生の歴史への向き合い方について分析・整理がなされ、新立先生はクリックとビースタが示す政治・社会へ関わるためのレディネスについて検討。両発表ともに大変興味深いものでした。さらに、両先生の研究のバックグラウンドが社会科教育学と社会学と異なることから、議論も白熱。子どもに寄り添うとは何を捉え、考えることなのか。また、学びに対して教師は何が出来るのか(出来ないのか)。私自身、とても勉強をさせて頂きました。
2024/10/5
昨日は、愛知県総合教育センター主催の研修、「中堅教諭等資質向上研修」へ。3年前から講師を拝命しております。
テーマは「社会科におけるカリキュラム・マネジメントの在り方」。午前中が講演、午後は研究協議。終日かけて実施する研修です。
午前は、新カリの論点から始まり、カリキュラムの作り方や形成的評価の考え方とその実際をお話しいたしました。午後は、カリマネの難しさの共有からスタート。それをどのように乗り越えてゆくことが出来るか(出来ないか)、議論を展開しました。授業改善や反省的教師という考え方の提案があった一方で、多忙極める学校現場において、さらなる予算措置を含め、ベースの部分における改善の必要性の議論もございました。とても面白い議論で、多くのことを学ばせて頂きました。
担当のW先生、今年も刺激的な時間をありがとうございました。
2024/10/3
本日は11月に実施するDiscuss Our Societyの打ち合わせを行いました。
中学生と政治家が1日かけて議論するプロジェクト。今回は、交通政策を通して街づくりを考えます。本日は、ゼミ生4名が、人口減少社会の現状と課題、岐阜市が抱える社会問題、岐阜市の交通政策、近隣(及び他国)が行なってきた交通政策や社会実験の結果等を報告。5時間かけて議論を行いましたが、交通を視点に様々な社会を見ることが出来ることがわかって参りました。
打ち合わせの中では、当日の衣装についても相談。今年は、学生がロンT(パーカー?)をデザインしてくれることになりました。残り約1ヶ月となりましたので、エンジンをかけて進めて参りたいと思います。関係の方々、引き続きよろしくお願い申し上げます。
2024/9/30
週末は、哲学プラクティス学会へ参加。
今回のテーマは「自生する哲学」。「ある特定の『場所』や『現場』の中に哲学が定着していくことの意味を多角的に考える」という形でした。
「『こどもらしさ』はこどもが作り出したものではない」というワーディングに、アリエスを思い出しつつ、「誰かが哲学するかもしれない場所をつくる」という重要性に共感いたしました。これは、"厚い社会"を構築するために地域が担うことも大事。ただ、学校という場・空間の重要性も改めて考えることが出来ました。
今週も週末は別の仕事が入ってしまったため、シンポジウムだけオンラインで参加。ただ、近年の学会、研究会はほぼオンラインでも配信されるので、とても便利になりました。昨年、現地での再会をお約束したG先生らとお会いできなかったことが残念。。。次回こそは現地で参加をさせて頂きたいと思います。
2024/9/27
大学は教育実習中。複数の学校を訪問し、研究授業を参観させて頂いております。
先日は県内の小学校を訪問。小4向けの社会科の授業。木曽川の治水工事を考える内容で、問いは「ヨハネス・デ・レーケは、なぜ上流に行ったのだろうか」。洪水が起こる仕組みを考えた上で、治水と治山のしくみを捉える授業でした。
興味深い授業で、学生もしっかりと授業を展開。学級のマネジメントも上手で、子ども達も前のめりに参加をしている姿を見ることができました。
2024/9/24
週末は、カルチュラル・スタディーズの学会へ参加。別件の仕事と重なってしまい現地参加は叶わず、オンラインでの参加となりました。
楽しみにしていた学会で、今年もスポーツとジェンダー、ポピュリズムと民主主義、ラップが可視化する「現実」など、魅力的な内容並びます。
中でも、楽しみにして発表(シンポ)は、「パンク、クイア、フェミニズム」。発表はJessica先生(UCLA)、萱野先生(同志社大学)、司会は田中先生(東京大学)。音楽やアートによる批判的応答を、我々は如何にとらえられるのか。色々と考えることが出来ました。合わせて、LAのパンクカルチャーの史的展開と政治の関わり、そしてそれが香港や英国へ与えた影響(Jessicaの言葉を借りるとパンクの“社会地理学”)も面白い。興味深い内容でございました。
2024/9/20
本日は、佐渡市赤泊小学校で行われた道徳教育研究発表会へ参加しました。
公開授業(2年、3・4年、6年生)の後に授業協議会、そして4名によるリレー講演会。別件と重なり部分的な参加となってしまいましたが、刺激的な時間でございました。
当該学校とは数年来、色々と一緒に研究を進めさせて頂いております。子どもの実態に合わせて教員が子ども一人一人に寄り添い、wonderを考えてゆく授業。素晴らしいものでございました。
一柳先生(東京大学)、豊田先生(新潟大学)の講演を楽しみにしておりましたが、時間の都合で拝聴できずに残念。またどこかでご教示頂ければと思います。研究主任の川上先生、今度はまた社会科でもやりましょう!楽しみにしております。
2024/9/17
渡部先生(東京学芸大学)より、以下の書籍をご恵送賜りました。
渡部竜也著『大学の先生と学ぶはじめての公共』KADOKAWA、2023
「今なぜ『公共』が必要なのだろうか?」、「建設的な話し合いのできる『公共的な空間』づくり」、「社会的な諸課題・諸問題を合理的に考察・議論するために」、「生命倫理問題を議論してみようー『中絶問題』ー」、「私たちは選挙で何を問われているのだろうか?」など、18章構成、367ページの大著です。公共に関わる思想やその展開から始まり、社会の課題を読み解くための具体的な考え方も多数論じておられます。
教科『公共』を考えるための必読書であると感じました。しっかりと学ばせて頂きたいと思います。渡部先生、ありがとうございました。
2024/9/11
先日は、新潟大学附属中学校(橋本先生、澤田先生)とミーティングを行いました。
当該附属でP4Cを用いた社会科を実践されているとのこと。カリキュラムや授業デザインの考え方や、日々の悩み等、色々とご相談があり、岐阜大学附属(岸先生、大坪先生)と繋ぎ、皆で対話を致しました。
社会科の固有性、データ・ベースドの考え方、資料活用の方法など、内容は多岐に渡りましたが、先生方の質問・返答から、私自身も多くのことを学ばせて頂きました。
新潟大学附属は、すでに道徳や数学領域でもP4Cを取り入れておられるとのこと。今回は時間が無くあまりお伺いができませんでしたが、特に数学は興味深い。次回は、両教科での取り組みをぜひ学ばせて頂ければと思います。引き続き、繋がってまいりましょう。
2024/9/9
11月に実施するDiscuss Our Societyのチラシが完成いたしました。
全国から中学生が集まり、政治家と共に政策論争を行うイベントです(日本学術振興会「ひらめき⭐︎ときめきサイエンス-ようこそ大学の研究室へ-」令和6年度採択事業)。
本年度は、交通政策を議論します。人口減少社会において、今後どのようなまちづくりが求められるのか。コンパクトシティー、MaaS等は、如何に考えれば良いのか。様々なデータを用いて分析し、政策として立案致します。
対象は中学生。ご関心をお持ちの生徒さんがおられましたら、ぜひご応募頂けましたら幸いです。詳細は以下にございます。https://www.nobolta.com/discuss-our-society/
本イベントは、毎回多くの方に支えて頂き、実施を致します。本年度も、前田先生(美濃中学校)、岸先生(岐阜大学附属中学校)、加藤先生(岐阜高校)、三浦先生(岐阜県教育委員会)をはじめ、多くの仲間と共に実施を致します。ゼミ生も大活躍いたします。関係の方々と共に、実りある時間となるよう、努めたいと思います。
2024/9/7
先日は、岐阜高校から加藤先生、大谷先生が来学。10月に実施する歴史総合の授業実践について、打ち合わせを行いました。
今回は対話を用いた授業を計画。大正デモクラシーや民主主義を如何に扱うか。そのアプローチの方法について、色々と議論を行いました。
写真には写っておりませんが、行政からもM先生が参加。メディアを視点に歴史総合を切り取る視点の提案を頂き、そちらもその場で授業の構想が一定程度完成。後日、岐阜高校で授業をすることになりました。動機が共有出来る建設的な会議は、その場で新しい試みが決まってゆきます。加藤先生、大谷先生、共に楽しく進めて参りましょう。刺激的な打ち合わせ、ありがとうございました。
2024/9/5
本年度、新しい科研(挑戦的研究:萌芽)が採択。内容は、文化を視点に社会科を構想すること。カルチュラル・スタディーズを援用しながら色々と考えて参りたいと思います。
animal studiesと社会科の関係にも興味があり、英国在外研究中には少し議論をしていた時期もございました。特に犬は、文化研究の一つのテーマでもあります。従来までは音楽、映画、漫画等をベースに進めて参りましたが、少し領域を広げ、3年間かけて考えてみたいと思います。(写真は我が家の家族です)
2024/9/4
過日は、Discuss Our Societyのキックオフミーティング。11月に実施する、全国の中学生と共に政策を立案、政治家と共に議論をするイベントです。
打ち合わせの結果、本年度のテーマは、都市交通に決定。人口減少社会において、如何に街・都市を構想出来るのか。今回は交通政策を視点に、検討することになりました。
まずはデータ収集と分析からスタート。我がゼミの優秀なメンバーが、検討枠組みを含めたグランドデザインを考えてくれますので、私はチラシ作りや関係各所への連絡等、細かい作業を進めます。本年度も刺激的なイベントにしたいと思います。関係の皆様、何卒よろしくお願い申し上げます。
2024/9/2
昨日は、卒業生と共にゼミ生が集まる、通称「田中ゼミ夏フェス」。現役生には卒論の途中経過を発表してもらい、卒業生からご指導を頂く場です。
もう一つの目的は、卒業生の近況報告を伺うこと。途中参加・退出もありましたが、8年前の卒業生を含めて参加。学校現場での悩みや葛藤、現在進めている実践研究、個人的な出来事等、色々と話を聞き、皆で対話をすることが出来ました。(最後に写真を撮影したため、途中退出の方々ご容赦くださいませ・・・)
七夕的なイベントで、集まるのは年に一回。例年は卒業生が持ってきてくれるお菓子を食べながらの会で、私は毎年楽しみにしているイベントです。台風の関係でオンラインにはなりましたが、久しぶりに皆さんと会うことが出来、幸せな時間でございました。現役生はもちろん、参加を頂いた卒業生、ありがとう!
2024/8/31
ご依頼を頂いていた原稿と対峙。STEAM教育に関する原稿で、A4で40ページ。。。分量の関係もあり長期間格闘しておりましたが、なんとか完成!
今回は香港のSTEAM教育の行政政策、実施状況等を参照しながら、日本の社会科と絡めて検討してみました。
なかなかの難題でした。・・・が、今日のお供はHuey Lewisが70年代に発表したレコード。微かに海を感じるRock'n Rollです。ドラムとベースの音に合わせ、上手く筆が進みました。
2024/8/29
本日は、日本教育学会。教育方法・教育課程(3)部会の司会を務めさせて頂きました。
発表は写真の4件。教師はICT教材との間に如何なる関係性を築くべきか。学びによる学びの疎外。文化領域(教科)と民主的公共圏を教室で如何に構築するか。言葉にできないぼんやりした感じ(felt sense)を如何に授業へ取り込むか。全てが刺激的で、大変興味深いものでした。
後半の討論は、共通のテーマとして、子どもから立ち上がってくる意識(や公共性)をどのように研究として捉えるのか。また、各々が提案する授業や哲学をカリキュラム論として考えてみる、という試みへ挑戦しました。発表者、参加者の方々のご尽力で、討論は参加者と共に双方向的な対話が展開。共に勉強をさせて頂くことが出来ました。
2024/8/25
昨日は、探究の対話を考える研究会(宮城教育大学主催)。キーノートを拝命し、以下のテーマで話をさせて頂きました。
対話的な教育の意義とこれからの社会
まず「行政・研究・学校レベルで“教育”に何が起きているのか」という点を整理し、その後は学びと評価の関係性の検討。後半は、対話とカリキュラムデザインの関係を具体的な事例をもとにお話をし、それが如何に寛容な社会の創造につながるか、検討を致しました。
研究会後半は、分科会。中学校の部会へ参加させて頂き、教師のコミュニティー作り等多くのことを学ばせて頂きました。
それにしても、当日の参加人数は111名とのこと。宮城県内はもちろんですが、東京、神奈川、広島、鹿児島、ハワイからも・・・。宮教の組織力や運営、イベントのマネジメントについても学ばせて頂きました。途中、ハワイ大学の先生から(コソッと)チャットで連絡があり、並行して色々と議論をすることも出来ました。とても刺激的なイベント。関係の方々はご準備等大変だったことと思います。多くのことを学ばせて頂きました。ありがとうございました。
2024/8/23
先日は、教育委員会の大学連携研修。通称、6年目研修でした。
講義のテーマは「学習指導要領における社会科指導のあり方」。新指導要領の特徴やその思想からスタートし、その後は具体的なカリキュラムのつくり方や、授業デザインの考え方、職員室の同僚性を如何に考えるか等、色々な視点から話をさせて頂きました。
若干時間は超過してしまいましたが、来場者と共に社会科に関する論争について考えることが出来、刺激を頂くことが出来ました。終了後、「back numberを使った社会科、懐かしいです」と、卒業生からお声がけが。大学の講義を覚えてくれていた様で嬉しく思いました。
午後は、前田先生(美濃市立美濃中)が別の仕事で来学。お土産に"芋けんぴ"を頂き、共にコーヒーを飲みながら雑談。こちらも幸せな時間でした。前田先生、またゆっくりと!
2024/8/21
Eric King-man Chong先生(Hong Kong Metropolitan University)より、以下をお送り頂きました。
Michael John Katsillis "Diversity, Conflict, Crisis and Educational Adaption" Cicea, 2024
Ciceaが刊行した論文集です。その中で、Eric先生は、香港の公民系教員への質的調査を行い、学校教員の仕事に対する様々な要素(カリキュラムデザインへのモチベーション、研修に対する促進・阻害要因、等)を検討しています。日本の学校教員が抱える諸課題へも応用可能な内容。しっかりと拝読させて頂きたいと思います。Thanks, Eric!
2024/8/20
本日は、岐阜県中学校社会科研究会の研究大会。以下のタイトルでお話をさせていただきました。
多様で寛容な学校・教員文化の創り方ーエージェンシーに着目した授業デザインー
我々は、如何に子どもの自律性を捉え、授業をデザインすることができるのか。また、そのような考え方は、学校・教育・社会へどのような影響を及ぼすのか。具体的なカリキュラムをもとに検討致しました。
「社会人として(講演)時間は守ります」と言いながら、今回も熱が入りオーバー。主催メンバーにはご迷惑をおかけしてしまいましたが、ありがたいお言葉も賜り、嬉しく思いました。今後とも、学校・教員・子どもに寄り添い、考えてまいりたいと思います。関係の方々、ありがとうございました。ぜひ、一緒に授業を作りましょう!
2024/8/16
締め切り迫る複数の原稿と格闘。。。
本日は、Willie NelsonのLost Highwayをお供に。
80年代を中心としたカントリーではありますが、どことなくジャズやR&Bの要素も入る、ジャンルを超えた音を奏でるアーティスト。領域を超えて考える視点は、とても参考になります。
あとは、筆が進むかどうかでございます・・・・。
2024/8/15
渡部先生(東京学芸大学)より、以下の書籍をご恵送賜りました。
渡部竜也著『教室で論争問題を立憲主義的に議論しよう-ハーバード法理学アプローチ-』東信堂、2024
社会科教育の重鎮であるオリバーらが開発したカリキュラム(公的論争問題シリーズ)を事例に、政治・社会的な論争を学校で扱う意義や役割を議論。また、それを実際に学校で実践した調査結果をもとに、教室で熟議をすることの意味や機能を論じられております。学校の民主主義化を考える上で重要な文献。しっかりと拝読させて頂きたいと思います。渡部先生、ありがとうございました。
2024/8/14
過日は、突然ゼミの卒業生が来学。岐阜県美濃市に勤務している小学校教員で、大学で研修があるとのこと。お土産を持って訪ねてくれました。色々な思い出話をすることも出来、来訪を嬉しく思いました。
その後、時間差でもう一人ゼミの卒業生が突然来学。どうやら、先のゼミ生と共に同じ学校に配属されているとのこと。異学年のゼミ生二人が同じ職場(しかも隣の席)であるという状況には驚きましたが、嬉しい訪問。(なぜ、二人が同日、別時間に現れたのかは分かりませんが)色々と近況報告も伺うことが出来、幸せな時間でございました。Mさん、Eさん、楽しい時間をありがとうございました。
2024/8/12
行寿先生(福井県美浜中学校)より、以下の書籍をご恵送賜りました。
梶谷真弘編著「見方・考え方を鍛える!学びを深める地理・歴史・公民授業ネタ50」明治図書、2024
見方・考え方をテーマに、地理は「世界・日本の様々な地域」、歴史は「古代・中世・近世・近現代」、公民は「現社、政治、経済、国際」という目次構成で、多くの授業が掲載されております。“ストライキをしたメジャー球団の話”など、面白いテーマも。しっかりと学ばせて頂き、講義等でも活用させていただきたいと思います。行寿先生、ありがとうございました。
2024/7/30
打ち合わせのため、九州大学へ。新しい研究プロジェクトへお誘いを頂き、山下先生を訪ねました。
社会学、政治学、法学、教育学等、複数の領域を広く横断した研究プロジェクト。勉強をさせて頂きつつ、共に楽しみたいと思います。色々な話を伺いつつ、モチベーションも上がる会議でございました。次回の会議は岐阜(かもしれない?)。下呂、白川郷、長良・・・、案を練っておきたいと思います。
その後、別件で訪問した先に、再びサザエさんを発見(ちょうど昨年の同時期にも博多におりました)。酷暑でこちらは汗だくでしたが、涼しい笑顔で輝いておりました。
2024/7/27
昨日は、政治家のN先生と打ち合わせ。11月に開催する中学生と政治家が1日かけて政策論争を行うプロジェクト、Discuss Our Societyの会議でした。
岐阜市政や県政、またその関連政策としてドイツの取り組みなどを伺いながら、今年のテーマを検討。色々なアイデアが浮かんで参りましたので、我がゼミ生、そしてDOSのチームと共に準備を進めたいと思います。
今回の会議は、7月末に閉店してしまう岐阜高島屋のカフェで。柳ヶ瀬の一つのシンボルであり、個人的にも色々と利用させて頂いておりました。寂しい思いを抱きつつ、未来に思いを馳せながら、建設的な議論が出来ました。関係の方々、11月へ向けてどうかよろしくお願いいたします。楽しく、刺激的なプロジェクトにいたしましょう!
2024/7/26
先日は、岐阜市選挙管理委員会との会議。Novoltが協働で作成している主権者教育教材の改訂会議でした。
https://www.city.gifu.lg.jp/info/senkyo/1009355.html
教材では選挙・政治でありそうな事例をサンプルとして出しています。しかし、それを出すことでリアルな政治と離れる可能性や、教師による自由な教材研究を阻む可能性もあります。「社会科の専門家はもちろん、それ以外の先生方も活用可能な共通教材のあり方」「選挙時(もしくは政治)に起こる有権者の振る舞い。特に、心理的な葛藤を如何に教材へ取り込むことが出来るのか」「選挙を軸として、その前後を繋げて考える(選挙前後をサイクル的に考える)意識を、小学生は如何に醸成できるか」など、様々な視点で議論が展開しました。
議論がかなり盛り上がり、1回の会議で完成させるつもりが延長戦へ。再び別日に集合することとなりました。学生の意識がとても高く、議論から私自身も多くのことを学ぶことが出来ました。指導案も公開しますので、期待してお待ち頂けましたら幸いです。
2024/7/24
過日、長良東小学校で行った政治教育の実践が以下で報道されました。
中日新聞「考えて投票することが大切」(7月11日朝刊)
岐阜新聞「選挙の仕組みを体験」(7月19日朝刊)
CCN「長良東小学校 選挙を自分事として考える」(7月12日)
「ポスト選挙を考える」授業。難しい問題設定にも関わらず、Novolt(高める会)の学生らが連日遅くまで頑張ってくれました。良い授業でございました。
2024/7/22
昨日は、前田先生(美濃市立美濃中学校)と共にmorning escape(朝ツーリング)。自身としても久々のバイクでした。
朝食を予定していたお店が閉店(しかも2軒続けて)していたため、しばしバイクでウロウロと。しかし、結果的に板取川の素晴らしい景色を見ながらのツーリングが出来ました。
二人で抹茶ラテと焙じ茶ラテを飲みながらの会話は、目前に立ちはだかる様々な課題への対応策や、働き方、バイク、社会科等様々。前田先生とは同い年。色々と大変な年齢ではありますが、本音で話ができる友人の存在は非常に大きい。集合して帰るまでは2時間。短い時間でしたが、とてもリフレッシュ出来た時間でした。前田先生、また行きましょう!
2024/7/17
進めている対話教育論研究プロジェクトの研究会。今回はプロジェクトメンバーの福井先生が所属する鹿児島大学で行いました。
まずは、附属中学校にてP4Cの授業見学からスタート。中2地理、北アメリカ州での実践でした。自由や民主制について対話する内容。「"一人はみんなのために"というフレーズはどのように考えることが出来るのか」など、興味深い展開でございました。
授業後は参加された先生方とのディスカッション。授業の振り返りと共に、社会科とP4Cの関係性、地域の教育課題など様々な点で議論が交わされました。
メンバーからは、阿部先生・豊田先生(新潟大学)、土屋先生・西山先生(開智国際大学)が参加。プロジェクト会議も建設的で、刺激的な時間でございました。福井先生、ありがとうございました!
2024/7/15
週末は、連合大学院の博士論文公聴会、及び最終審査会。研究室に所属している中山智貴さんが受審されました。博士論文のタイトルは以下。
民主社会への「文化的参加」を目指す子どもの市民生育成論-学校と社会の共同創造を目指すドイツ文化・政治教育からみた地域協働の探究-
副査は梅津先生(鳴門教育大学)、山田先生(岡山大学)。審査委員は福田先生・山内先生(兵庫教育大学)、原田先生(鳴門教育大学)です。
公聴会、最終審査を含めて様々な質問・指摘がございましたが、しっかりと答えてくれました。審査の過程で博論後の新たな方向性も見えてまいりました。引き続き、努めてほしいと思います。まずは一段落。現職の高校教員を兼ねながらの博論執筆は大変だったことと思います。中山さん、ご苦労様でございました。
2024/7/12
昨日は、ハワイ大学との共同プロジェクト。ハワイから8名の先生が来学し、研究会を行いました。
朝は附属のスクールツアーからスタート。その後はP4Cの公開授業。前期課程の子どもは「SDGsを続ける意味はあるのか」、後期課程の生徒は「どのような税の使い方をすれば国民は満足するのか」という問いを立て、探究。ハワイの先生方も入り、共に対話が展開されました。
午後は、関係者のディスカッションからスタート。午前中の授業の振り返りから始まり、対話の可能性と限界について議論。その後、Toby Yos先生(ハワイ大学)の講演では、p4cHIが持つ思想やその背景、対話の教育学的可能性についてお話が。私の講演では、子どもの探究を実質化させるための考え方について話をさせて頂きました。
日本の子どもたちは、ハワイの先生方のコメントに終始刺激を受けていた様子。特に、「税金は国民を幸せにはしない」「無意味に見える行動が示す、社会の理想」などの指摘は、対話を別の次元へ誘ってくれる刺激的な指摘でした。また詳細はどこかで。
何にしても、附属の先生方には多大なるご尽力を頂きました。特に、チーム社会科の岸先生、大坪先生、高木先生、岩田先生、松尾先生にはイベントを主導頂くだけでなく、細かく複雑な準備・調整を頂きました。改めて、彼らに支えられていることを実感出来た1日でした。チーム社会科の皆さん、ありがとう!また、ご参加頂きました方々もありがとうございました。引き続き、繋がってまいりましょう!
2024/7/10
本日は、Novolt(高める会)による授業実践。長良東小学校にて、政治を考える授業を行いました。
岐阜市選挙管理委員会と共に作成している主権者教育教材を用いた授業。“図書館のルール作り"を公約に掲げる4名のマニフェストの分析を行い、模擬投票。投票後、我々は政治へどのように向き合うことが出来るかを考える授業。本プロジェクトでは、特に“ポスト選挙”を重視します。
小学校6年生の4クラスで同時実践。「選挙をする上で考えなければならないことは何か」「良いリーダーの決め方」などをMQとして展開。大変盛り上がりを見せる授業となりました。学生9名が連日夜遅くまで準備を続けてくれた成果です。また、鬼頭先生をはじめ、当該学校の先生方にも度重なるご指導を賜りました。関係の方々のご尽力に心より感謝申し上げます。
本プロジェクトの次のタスクは、教材の改訂。色々と課題も見えてまいりましたので、次年度へ向けてさらにブラッシュアップをしてまいりたいと思います。
2024/7/9
白石訪問2日目は、学校へ。学校のコンセプトや経営方針を伺いながら、学校管理職、教育委員会、教育長と共にディスカッション。
子ども一人一人へ如何に寄り添うことができるのか。その一つが、学校行事は始業式と修了式のみを決めた上で、他の行事や学びの進め方は教師が子どもを見ながら自由にデザインするという考え方。教科のカリキュラムも、教師が自律的にデザインしてゆきます。
様々なカリキュラムがパラレルで動くと、一般的には教員間の意識の共有が困難に。しかし、その点も教育・学びに対する志の共有をベースにしっかりと機能しており、学校現場が担う教員研修のあり方についても数多く学ばせて頂きました。
P4Cの授業も見学。「幸福とは何か」というテーマを、幸せと幸福との違い、幸福の質、他者を犠牲にした幸せの是非等、様々な視点で探究。対話に参加したい気持ちをグッと抑えつつ、ワクワクしながら拝見させて頂きました。関係の先生方、大変お世話になりました。少し大きなことが出来そうで、楽しみでございます。引き続き、よろしくお願い申し上げます!
2024/7/8
宮城県白石市へ。令和5年に開設された公立の不登校特例校、「学びの多様化学校(白石南小学校・中学校)」に関する調査です。
本日は、教育長、教育委員会関係者への聞き取りからスタート。現在の社会的背景を引き受けた多様な学びの考え方や、数十年先を見据えた教育のグランドデザインを伺い、強く合意。多くのことを学ばせて頂きました。
その後は、市長と面会。市が抱える課題に対し、教育をエンジンに如何に様々な政策を実行してゆくか、その熱い思いを伺うことが出来ました。
市長、教育長を含めた会食後、50年以上の歴史を持つ喫茶店「停車場」へ。昭和の空気感を纏った雰囲気に癒されつつ、長時間に渡り様々な話をすることが出来ました。
2024/7/6
失念しておりましたが、4月に以下が刊行されました。
田中伸「手続きとしての「対話」から原理としての対話へ―解釈型歴史学習の批判的継承―」土屋武志・白井克尚編著『グローバル社会における解釈型歴史学習』帝国書院,2024年, 92-111ページ
導入は「2100年からの手紙-生産システムに基づく『測定評価』からの脱却-」とし、未来日記的な語りからスタートしています。2100年8月21日の東京の最高気温は43.3度(という想定)。週末は猛暑ですが、現時点では少し手前で留まっている様子でございます。
ご関心がございましたら、お目通しを頂けましたら有り難く存じます。
2024/7/4
先日は、Novolt(高める会)で模擬授業。岐阜市選挙管理委員会と共に作成している主権者教育教材を用いて、来週小学校で授業を行います。そのための準備が進んでおります。
小学校6年生は、如何にして政治へ向き合えるのか?毎年試行錯誤を繰り返しておりますが、今年も挑戦致します。
私は複数の会議が入ってしまい全てに参加することは出来ませんでした。ただ、昨年実践してくれた4年生の参加が大変頼もしい。MQの立て方、授業の作り方、子どもの動きを如何に想定(想像)するか、困った時の対応、時間の調整方法等、綿密かつ実践的なアドバイスが。素晴らしいファシリで進めてくれておりました。授業が楽しみでございます。
2024/7/1
イギリスの研究者とミーティング。10年来、共に色々と進めている、気心の知れた友人です。
目的は、少し棚上げになっていたシティズンシップ教育の共同研究の打ち合わせ。ただ、共通の趣味であるモーターサイクルの話に花が咲き、予定した時間の7割以上はバイクについて。"車体の重さと機動性の関係"について、深く議論を交わしました。
当初の予定時間を超えた所(バイクの話が盛り上がってきた所)でZoomの会議が強制シャットダウン。ただ、研究打ち合わせが全く出来ていなかったので、再度接続。そこからは、「しっかりと」研究について議論を致しました。
我々は子どもの市民性を社会における政治的・社会的プロセスの中で如何に捉え、またその育成へ関与できるのか。日英の学校で調査をしながら考えてゆきます。彼との会議はいつも刺激的ですが、今回も大変有意義で、かつモチベーションの上がる打ち合わせでございました。
2024/6/27
附属社会科のメンバーと共に、「公式」Tシャツを作りました。Discuss Our Societyのロゴを使い、デザイン。字体もこだわりました。
公式の場で、大事に着用したいと思います。
2024/6/26
先日は、STEAMの2日目。附属小の3年生で授業を行いました。
授業者は岩田先生。テーマは、「絵本の奥には何が見える?」。エリック・カール氏の絵本"はらぺこあおむし"を読み解く実践。算数、図工、社会科がコラボし、7時間の単元として展開しました。
まずは絵本の鑑賞(図工)からスタート。その後、絵本の売り上げ等の統計的な分析を踏まえた上で、社会科へ。子どもが立てた問い「どうして妹に"はらぺこあおむし"を贈ったのだろう?」をP4Cで展開。絵本という媒体(メディア)が持つ社会的な意味、人が相手を思いやるという行為は如何に成立するか等、様々な対話が展開しました。
授業後は、岩田先生を含めた社会科メンバー全員へインタビュー。面白かったのは、社会科、授業、教育、発達等を考える視点が様々。とても興味深い内容でした。岩田先生をはじめ、附属社会科の先生方。超多忙な日常の中、諸所丁寧にご準備をいただきありがとうございました!
2024/6/24
本日は、STEAMプロジェクトの本番。附属小の6年生で研究授業を行いました。
授業者は高木先生。テーマは「ピカソ『ゲルニカ』の鑑賞を通して」。14時間の単元で、主に図工と社会科をコラボさせて進めました。
本日は社会科。「ゲルニカは何を語るのか」という小テーマを設定した対話。子どもが立てた問いは「ピカソの絵を複製する意味とは?」。附属社会科メンバー全員が関わりながら、展開しました。
対話では、「本物とレプリカの違い」から始まり、「ピカソが絵に込めた思い(反戦を含めて)は、我々に届いているのか、いないのか」「『伝わる』とはどのようなことか」「鑑賞・閲覧料の無料化がもつ意味」「絵(芸術)の価値は如何にして決まるのか」など、興味深い視点が多数。図工の先生も関わっていただき、展開されました。詳細は後日どこかでご報告致しますが、面白い授業となりました。高木先生、連日のご準備、大変だったことと思います。刺激的な授業をありがとうございました!
2024/6/22
出張中に車検へ出していたモーターサイクル。無事、戻ってまいりました。整備的なものは自身で行なってきましたが、二次エアーの問題でインテークマニホールドの交換が必要となり、今回はお店へ。
自身の整備に一定の自信はあったのですが、ブレーキフルードの固着、燃調不良(若干燃料が濃い)、電子制御に関する複数のエラーなど、複数箇所で修理・調整・交換を頂いたとのこと。素人には及ばない視点が多く、専門的な知識とスキルの素晴らしさを感じました。
(誰も興味が無いとは思いますが・・・)次の車検はお店に出そうか、、、しかしスキルを磨くために、次回はまた自分で、、、と楽しい悩みが増えました。
さて、準備万端。あとは乗るだけでございます。梅雨の合間を探しながら、機会を狙いたいと思います。
2024/6/19
イギリスへ立ち寄った目的の一つは、研究打ち合わせ。学会発表した内容をこちらの研究者へ提案し、色々と相談を致しました。
興味深かったのは、研究アプローチの違い。発表した内容では、教師や子ども(10名程度)への調査をベースに検討をしておりましたが、一人に絞ってより詳細に分析・解釈をするという方向性の指摘。もちろん、研究全体のグランドデザインとの兼ね合いもありますので、一長一短です。ただ、学校の民主化、子どものエンカレッジに関する哲学的な提案内容に対しては学会での議論と同様でしたので、方法論的なアプローチの違いが面白い。まだまだ色々な考え方があることを学びました。
さて、難しさは、本件が共同研究プロジェクトであること。ベルギーの方もコミット頂けそうなので、どのように折り合いをつけるか・・・。ただ、建設的な議論が続いておりますので、それを考えるのも楽しい時間です。努めてまいりたいと思います。
2024/6/18
スウェーデンからイギリスへ移動。こちらで最初の仕事は、岐阜大学附属小とのオンライン会議でございました(笑)。
現在、附属とともにSTEAMのプロジェクトを進めていますが、来週その実践を行います。算数、図工、社会科がコラボした授業。本日は、その内容について、附属小の高木先生、岩田先生、松尾先生と打ち合わせを行いました。
実践後改めて報告をさせて頂きますが、中学校を含めた附属社会科の叡智の結集になりそうで、今から楽しみです。高木先生、岩田先生、松尾先生、そして裏におられる岸先生、大坪先生。多忙極める中ありがとうございます。教師サイドも楽しめる、刺激的な実践にいたしましょう!
2024/6/16
学会では、旧知の研究者との再会、加えて新たな人との繋がりも生まれ、有意義な時間を過ごすことが出来ました。米国社会科の重鎮の先生も、「Noboru(の考え方)と極めて近い発表があったよ」と、その研究者を紹介してくれる場面も。やはり発表をすることが重要だと改めて感じました。引き続き、努めてまいりたいと思います。
この時期のスウェーデンは夜10時頃まで明るい。旅行者には体内時計がおかしくなる感覚がありますが、気持ちの良い季節。街でも、北欧の短い夏を楽しんでいる様子が様々な場面で見受けられました。さて、別の国へ・・・。
2024/6/15
学会発表が無事終了。今回のタイトルは以下。
"How can teachers encourage students to have an honest dialogue about social issues?
-An educational approach in which students create democratic schools through
dialogue about ‘school rules’-"
コミュニケーション理論などを検討しながら、対話を用いた授業を通して民主主義的な学校をデザインする考え方を整理。子どもや教員への質的調査の結果などを入れながら、如何に子どもの演技(学ぶフリ)を解体出来るのか、検討しました。
長めの質疑応答では、子どもの認識論的社会(epistemological society)を教師や学校がどのように扱うことが出来るか。また、それと制度の実態をどの様にクロスさせればよいのか等、色々な指摘が。コメントをいただきながら、質疑の中でアイデアも生まれてまいりました。このような、建設的なコミュニティーはとても楽しい。重ねて、発表後は関心を持ってくれたベルギーの研究者と意気投合。新たなネットワークも生まれ、嬉しい展開となりました。
写真は、他の発表を全集中で拝聴している所です。決して、(発表準備が間に合わず)内職をしている場面ではございません。
2024/6/13
学会発表のため、スウェーデンのMalmo(マルメ)へ来ています。参加する学会はCicea(Childrens Identity & Citizenship European Association)。ヨーロッパのシティズンシップ系の学会では最大規模のものです。
日本からマルメまでは20時間以上。朝、羽田を出発し、英国ヒースローで乗り継ぎ、23時頃デンマークのコペンハーゲンに着。そこで一泊した後、翌朝マルメへ到着しました。
写真は市内中央にある広場。散歩をしながら空間設計に込めた思いを感じたい所ですが、まずは学会発表の準備。今回、同じ分科会(Civic Education from a teachers perspective)には米国社会科教育学会の重鎮、キース・バートンが。発表順番として、彼の後が私となっています。私の後は、前Cicea学会長の発表。分科会のチェアはChris Gifford。。。
かなりのプレッシャーがございますが、ポジティブに捉えて頑張りたいと思います。。。。
2024/6/10
先日は、大学のグローカル推進機構からのご依頼で、動画撮影。シティズンシップに関する連載動画を作成しており、今回のテーマは以下。
「私たちは、如何に社会と向き合うことは出来るのか?-シティズンシップ教育@イギリス編-」
先日はシティズンシップの理論について撮影しました。今回はその続編として、イギリス(イングランド)を事例に、シティズンシップという考え方が教育政策としてどのように位置づいているのか。また、実際に学校でどのような授業が行われているのか、整理をしました。
ただ、動画でも話をしましたが、実際、「イングランドでは・・・」と整理することは暴力性を伴います。現実としては多様な議論、授業が展開しております。しかし、その多様性も面白い点であると考えており、それらを含めて考えてみました。また公開されましたら、本ブログでもご紹介させて頂きたいと思います。
2024/6/8
博士後期課程の論文締切(9月卒業)は、6月10日。当方の研究室の院生、中山智貴さんも無事完成。タイトルは以下となりました。
民主社会への「文化的参加」を目指す子どもの市民生育成論-学校と社会の共同創造を目指すドイツ文化・政治教育からみた地域協働の探究-
現職の高校教員ですので、日中も多くの仕事を抱えております。そのような中、最後は分単位で仕事を調整し、なんとか完成させてくれました。彼の努力と調整力に敬意を表したいと思います。
論文の製本も終え、各種必要書類も無事準備完了。あとは提出だけとなりました。7月には公聴会・最終審査が控えておりますので、あと少しで一区切り。引き続き準備を進めてほしいと思います。
2024/6/7
我が研究室の学生、井戸浩太さん(4年生)が、学長賞を受賞しました!
昨年からゼミのイベントも精力的に進めてくれている学生で、度々本ブログにも登場してくれています。昨年度までは、Novoltの代表もつとめてくれました。
ゼミ生の活躍はとても嬉しい。しかも、伺うと、2年連続の学長賞とのこと。素晴らしい!
現在は卒論執筆を含め、将来へ向けて諸所準備を進めている様子。ぜひ、頑張ってほしいと思います。井戸さん、おめでとう!!
2024/6/5
先日は、明るい選挙岐阜県推進協議会の会議。委員として参加をさせて頂きました。
錚々たるメンバーでの会議。内容は、昨年度の事業実績、および本年度の事業計画の検討でしたが、予算額を含めて新たな気づきもあり、学ばせて頂きました。
会議中、Novolt(高める会)と共に作成をしている中学校主権者教育教材(Channel)について説明もさせて頂きました。「選挙へ行こうではなく、政治を考える」というコンセプトには多くの方々に共感を頂き、有り難く感じました。ただ、最近の学校教育、授業の変化(新カリの動向を含めて)は、まだ一般には伝わっていない様子。学校教育関係者以外へも、丁寧に説明を繰り返してゆく必要性を感じました。今、学校・授業は、結構面白くなってきています。現況のアップデートに取り組みつつ、社会への説明も果たせる様、努めたいと思います。
それにしても、昨年開庁した新庁舎は美しい。県産の木材や美濃和紙が散りばめられ、心地の良い空間が広がっております。今回は時間がありませんでしたが、次回は県産品が展示されているGallery Gifuへも立ち寄りたいと思います。
2024/6/2
迫り来る、原稿締め切りの数々・・・・。
毎回、「次回は必ず前もって・・・」と誓いつつ、同じような状況が。
気分を上げるレコードは、Mose AllisonのBack Country Suite。ピアノを中心としたジャスでございます。
もちろんピアノが素晴らしいのですが、ドラムの自立した音色も秀逸。音の分析をしていると筆が止まりますが、良いレコードです。
さて、原稿執筆に戻ります。
2024/5/31
先日は、連合大学院の博士課程候補認定試験(博士論文一次試験)。副査で関わらせて頂いている、岩橋先生(兵庫県立青雲高等学校)の審査でした。
テーマは、中学校社会系教科における未来洞察型授業の開発研究。D.Hicksらの論を発展させ、"未来洞察"という概念を軸に社会科を考える内容でした。
岩橋先生とは別の共同研究も進めておりますため、断片的には理解しておりました。すでに社会系教科教育学会(2023)でも論文を刊行されておりますが、A4で17枚ものレジュメに基づく発表。色々な課題も見えてまいりましたが、興味深い研究でございました。主査は、福田先生(兵庫教育大学)。引き続き学ばせて頂きたいと思います。
2024/5/29
岐阜県中学校社会科研究部会(通称、岐中社)との会議。会長の他、各分野・領域の長の先生方が来学され、打ち合わせを行いました。
研究テーマは「主体的に社会の形成に参画する力を育てる社会科学習」。このテーマをどのように考え、今後3年間、岐阜県中学校社会科は如何に研究を進めてゆくか、議論を行いました。
・・・が、会長は以前からよく存じ上げている先生。学校現場の働き方の実態、教育時事、行政と学校の連携の状況、「研究的」な授業を行うことの難しさ、・・・ついでにバイクの話(来学メンバー中には私と全く同じバイクに乗られている先生も!)などで、まずは1時間。貴重な情報交換の場で、とても楽しい時間でございました。
その後は、授業研究の議論。今後、研究会等で公開される内容ですので詳細は伏せますが、地歴公、現時点でも大変面白い授業をデザインされており、勉強をさせて頂きました。3年間、共に学ばせて頂けましたら幸いです。
2024/5/28
先日は、小学校での政治学習実践のキックオフミーティング。Novolt(若者の選挙意識を高める会)と岐阜市選挙管理委員会が主権者教育教材を共同で開発しています。
https://www.city.gifu.lg.jp/info/senkyo/1009355.html
7月に控えた小学校での授業実践へ向け、長良東小学校の先生、岐阜市選管、過日実践を行った冨岡小学校の先生と共に、打ち合わせを行いました。
まず岐阜市選管から、本プロジェクトの趣旨や意義を説明いただき、長良東小学校からは昨年度の様子や反省を。冨岡小の鳥村先生からは実践の感触や難しさの説明があり、その後、前代表の井戸くんから今後の具体的な進め方の説明がありました。
今回の授業は長良東小学校の4クラスで実施予定。モデル指導案はwebsiteでも公開しております。ただ、毎年、チームごとにかなり指導案を修正し、行います。クラスごとに異なる授業が展開されるのが面白い。今年も期待したいと思います。関係の方々、遅い時間までありがとうございました。本年度もよろしくお願いいたします。
2024/5/25
大学の講義。"社会科のリアル化(社会科授業を現実社会にリーチさせる)"の一つとし、様々なサブカルチャーを用いた授業の考え方を検討します。
今回の講義ではSEKAI NO OWARIのHabitを。この曲に描かれた社会(観)を分析し、それを如何に分析し、授業へと昇華させるか、皆で検討を致しました。
社会に蔓延する二元論的思考、性別やジェンダーを如何に捉えたら良いのか、habitとハビトゥス(ブルデュー)の関係、"壊して見せろよbad habit"の含意とは。様々な議論が展開いたしました。
最後は時間が足らず、若干消化不良になってしまいましたが、学生が提案するアイデアは非常に面白い。私(オジサン)が考える社会と20代が考える社会のズレも感じることが出来、刺激的な時間でございました。
2024/5/24
先日は、現在進めている対話的教育論に関するプロジェクト研究会議。メンバーは、阿部先生・豊田先生(新潟大学)、土屋先生・西山先生(開智国際大学)、上村先生(福山平成大学)、川口先生(広島大学)、田中さん(広島大学大学院)、渡邊先生(立教大学)、中山先生(春日井高校)、福井先生(鹿児島大学)でした。
東大出版会の書籍刊行に続き、次は海外の研究者を含めて行うプロジェクトを進めています。色々と難しい提案もございましたが、議論の結果、全員が合意。再び共同研究が走り出すことになりました。
詳細はまだ伏せますが、ハードルが高いプロジェクト。予定時間をオーバーしての議論でしたが、笑いも交えた建設的な打ち合わせに、自身もモチベーションが上がりました。皆さん、前のめりで参画して下さっていることに心より感謝しています。引き続き、楽しく刺激的なプロジェクトに出来ればと思います。関係の先生方、よろしくお願いいたします!
2024/5/23
先日は、公益財団法人 シマノ財団の仕事で大阪の堺へ。当該財団は、理工系、工学系、基礎工学系の学生に対する奨学金事業を行っています。審査委員を拝命しており、審査会へ参加致しました。
https://www.shimanozaidan.jp/index.html
当方以外の審査委員は民間企業の方々。審査会後は、いつも各業界の近況や、若い世代の就職・離職状況など、和菓子を食べながら様々な近況報告や議論が展開されます。各種メディアでは報道されない「実態」に驚かされながら、大学としては、近年進んでいる大学「改革」の状況など、色々と議論をさせて頂きました。
異業種との懇談は面白い。審査会がメインではありますが、その後の議論の中で色々と学ばせて頂きました。
2024/5/21
先日は附属中学校(8年生)で授業実践。テーマは、「USJは何を語るのか」。授業者は岸先生でした。
USJというテーマパークは、社会の何を映し出し、それは来場者のどのような意識や感覚へ、どのようにリーチするのか。また、テーマパーク側は、それらを如何に捉え、利用するのか。USJという文化を読み解く授業実践でした。
授業では、USJの経済的な視点だけでなく、我々の「心」をどのように利用するのか。「No Limit」というスローガンのLimitとは何を含意しているのか、様々な対話が繰り広げられました。
今週、当該学年は修学旅行でUSJへ行きます。そこでは様々な方へのインタビューも行う予定。内容はもちろんですが、修学旅行も絡めた社会科実践。とても刺激的な授業でした。岸先生、引き続き、どんどんやりましょう!
2024/5/18
研究打ち合わせ@東京。
新たな寄付金の採択を受け、その受領と合わせ、研究の方向性や成果の見通し等について議論を行いました。
主には、現在進めている対話的教育論のプロジェクトについて。新規事業も動き出すため、佳境に差し掛かってまいりました。チームのメンバーと共に引き続き進めてまいりたいと思います。
それにしても、都内は暑かった。暑さに負けぬ様、昼食には先方と共にステーキを賞味しました。関係の方々、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
2024/5/16
先日は卒論中間発表会。例年、本学の須本良夫先生のゼミと合同で行なっています。
本年度のゼミ生は4名。それぞれ、"批判的思考✖️アプリ開発"、“ディルタイに基づく理解社会科の改革”、“若者の幸福論”、“コミュニタリアニズム✖️社会科を通した社会的な善の探究”、がテーマです。
例年通り、内容・方法ともに多様で、今後が楽しみなテーマです。
教員採用試験が1ヶ月前倒しされた関係で、卒論ゼミは一旦ストップ。各自、自身の目標に向かって頑張ってほしいと思います。
2024/5/13
先日は鳥村悠登先生(山形市立富岡小学校)の授業へ。小学校6年生対象の「国の政治の仕組みと選挙」。岐阜市選管とともに作成している政治学習教材をもとにした授業実践でした。
学級内のルールの更新を掲げた4名の候補者へ投票。しかし、当選した人がうまく学級をマネジメントできない。では、投票や政治へ我々はどのように向き合えば良いのか。主に“権力の監視”がテーマです。(以下からダウンロード可能です)
https://www.city.gifu.lg.jp/info/senkyo/1009355.html
投票までは早々に終え(18分)、残りの時間は「なぜ、当選者の政策は失敗したのか」をテーマに対話と議論。子ども達は、“候補者の政策が有権者へリーチしていない”、“政治的無関心を如何に考えたら良いのか”など、多様な意見が。最後には参加頂いた岐阜市選管の方から「保護者や先生の言うことを鵜呑みにせず、自身で社会を考えることが重要」とのコメント。難しいテーマでしたが、素晴らしい授業でした。
2024/5/11
本日は、共に研究を進めている民間との会議@半蔵門でした。
現在進めている国際共同研究についての報告や、新たに進める不登校関係の研究、それに伴う出張の調整等、打ち合わせは様々。色々と財務的に厳しい指摘もございましたが、同じ方向を向いて考えることが出来るチームの存在は大きい。とても建設的な議論が進み、良い会議となりました。
会議後は、老舗の天ぷらを賞味した後、日比谷周辺を散歩。初夏の陽気も相まって、気持ちの良い時間でした。Sさん、本日はありがとうございました。
2024/5/9
先日は、東洋大学附属姫路高等学校の入江健吾先生と打ち合わせを行いました。
内容は、哲学対話のカリキュラムについて。数年間かけて、中学校、高校を一貫した対話のカリキュラムを作成されるとのこと。お声がけを頂き、戦略会議を行いました。
初めてお会い致しましたが、対話・教育・学びに対する志に強く共感。加えて、以前関西に住んでいた身としては、懐かしく、心地の良いlocal languageも重なり、意気投合。中長期的に共にカリキュラムを作らせて頂くこととなりました。
生徒さんはもちろん、教員の方々も幸せになるカリキュラムをデザイン出来ればと思います。入江先生、刺激的な打ち合わせ、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。
2024/5/7
渡部先生(東京学芸大学)より、以下の書籍をご恵送頂きました。
トマス・ミスコ、ヤン・デ・グルーフ編、渡部竜也監訳『世界の論争問題教育-閉ざされた領域をどう考えるか-』東信堂、2024
各章では、オーストラリア、ガーナ、ケニア、南アフリカ、中国、フィリピン、シンガポール、韓国、北アイルランド、マケドニア共和国、トルコ、米国、そして日本で行われている論争問題教育について論じられています。ただ、各国の状況を並列に並べたものではなく、エンパワーメント、教室の権力性、学問の分化、社会の分断、中立性など、教育(もしくは授業)では扱いにくいとされるセンシティブな視点と絡めて述べられています。
私たちは、所謂「閉ざされた領域(closed area)」、そして“学校がおそらく教えることが出来ると思われるのに教えていないカリキュラム(p.378)”を、如何に考え、議論出来るのか。もしくは議論しなければならないのか。本書が指摘する視点は、社会科だけでなく、教育を考える上で非常に重要です。しっかりと拝読させて頂きたいと思います。渡部先生、ありがとうございました。
2024/5/6
6月にスウェーデンで開催されるシティズンシップの国際学会で発表します。対話が子どもの探究を如何に実質化させるか。学校(授業)における民主主義をどのように考えればよいのか。このあたりを、データ分析を踏まえながら検討します。
日々、隙間時間で論文執筆を進めていますが、なかなか進まず。。。筆のスピードを上げるため、本日は50年代のロカビリー、Joe ClayのDuck Tailを聴きながら。
ただ、まだまだ時間がかかりそうな気配。引き続き、時間を作り、努めたいと思います。
2024/5/5
弾丸ではありましたが、GWを利用して少しだけ帰省。横浜の空気を吸いつつ、合間は葉山にあるビーチ(写真)でゆっくりとした時間を過ごすことが出来ました。
帰省中、横浜で教員をしているゼミ卒業生、名畑夫妻のご自宅を訪問させて頂きました。ゼミ生同士の結婚ですので、夫婦共によく知っています。数ヶ月前に建てたばかりの新居は、「(壁全面の本棚、その向かいには大きなソファーが置かれた)読書ルーム」のあるこだわりの設計。二人共に読書が好きで、一人は学生時代、ヴィゴツキーに“ハマった(いや、格闘した?)”学生でした。
久しぶりに対面で会うことが出来、楽しい時間でした。名畑夫妻、幸せな時間をありがとうございました。
2024/4/24
本日は、博士課程のゼミ。本年度から、新D1として、新立慶さんが加わりました。
新立さんは、名古屋大学修士課程終了後、現在は大阪府内で高校の教員をされています。研究テーマは、「社会科教師固有の専門性の形成に関する研究-社会的文脈・学校文化の側面から-」。
修士までの専門は社会学。博士では、そのバックグラウンドを活かし、調査をベースに研究を進めていく予定です。
本年度、社会科教育系としては、8月の鳴門社会科教育学会、2月の社会系教科教育学会で発表予定。学会等をはじめ、多方面からご指導を頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
2024/4/21
迫り来る原稿の締め切り。。。
本日は、Jack JohnsonのTo The Seaをお供に。
調べると、リリースされたのは2010年。しかし、色褪せない音色が心地よく、やはり心を海へ運んでくれます。
なんとなく、筆が進んだ気が。引き続き、努めたいと思います。
2024/4/19
以下が刊行されました。
日本社会科教育学会編『社会科教育事典ー第3版ー』ぎょうせい、2024
第2版が刊行されたのが2012年。項目だけでなく、内容も大きくアップデートされております。私は、「哲学・倫理学と社会科」という項目を執筆させて頂きました。テーマが大きく、苦慮した原稿です。
項目ごとに参考文献も掲載されております。社会科教育関係者をはじめ、ご関心のある方は是非手に取って頂けましたら幸いです。
2024/4/17
先日は、助成を頂いている民間企業との会議。昨年度の報告、及び本年度進めて行く研究の流れや到達点等の議論を行いました。
本件は、教育学、教育哲学、政治学、教科教育学等、さまざまな研究領域を跨いだチームで進めているプロジェクトです。多領域が絡むことだけでも面白いのですが、民間からの指摘も面白い。当方が全く想定していない視点からのアイデアもあり、刺激的な会議でした。
結果、本年度も出張が増えることになりそうですが、モチベーションが上がるものばかり。引き続き、色々と学びながら進めたいと思います。
とりあえずは、締め切り迫った(過ぎた?)本プロジェクトの報告書作り・・・・。努めたいと思います。
2024/4/15
本年度、Discuss Our Societyを実施致します!
DOSは、政治家と全国の中学生が議論・論争を行う場。朝から夕方まで1日かけて、社会の課題を見つけ、分析し、議論・対話の中でそれに向き合うためのアイデアを検討します。2016年からスタートしたプロジェクトです。
https://www.nobolta.com/discuss-our-society/
コロナ禍を含めた様々な事情を鑑み、数年間、大学での実施を控えておりました(高校への出前は行いました)。ただ、新たな研究費の採択もあり、久しぶりに実施することとなりました。前回までは、地域振興計画の策定、学校統廃合の再検討、公共施設のあり方の検討、公共政策としてのサードプレイス作り、などをテーマとしました。今年も新しいアイデアを考えてまいります。
時期は11月を予定。場所は岐阜大学です。現在、関係者と共にプロジェクトの詳細を議論しております。久々の実施ですので、仲間と共に刺激的な場を創りたいと思います。募集が始まりましたら、改めてアナウンスをさせて頂きます。関係の方々、引き続き、よろしくお願いいたします。
2024/4/14
過日は、ゼミ生(現、愛知県私立高校の教員)とツーリング。早朝に集合し、岐阜県揖斐郡にある霞間ヶ渓へ。
山桜が綺麗に咲いておりましたが、地面を覆い尽くした芝桜が美しい。初めて伺いましたが、とても綺麗な場所でございました。
花見の後は、近隣のカフェでモーニング。コーヒーを飲みながら、仕事の話に始まり、彼が現在取り組んでいる研究、趣味の話など、四方山話を。卒業してから10年が経ちますが、関係が続いていることがとても嬉しい。朝の短い時間ではありましたが、幸せを感じることが出来た時間でした。
2024/4/11
以下をご恵送頂きました。
ベス・C・ルービン著、池野範男、川口広美、福井駿完訳『メイキング・シティズン』明石書店
本書は、Beth C. Rubin"Making CItizens: Transforming civic learning for diverse social studies classroom, Routledge, 2012の訳書。構成は以下となっています。第1章「イントロダクションー有意義な市民的学習を通して社会科教育を変革するー」、第2章「本質的に違うことー市民的学習における本質的な問いとテーマの扱い方ー」、第3章「話し合う市民たちー社会科授業における開かれた議論ー」、第4章「市民に求められるコミュニケーションとはー市民的学習のために書くことと表現することー」、第5章「『週末の時事問題』を超えてーカリキュラム全体で過去と現在を結びつけるー」、第6章「何が問題なのかー社会科教室における市民的アクション・リサーチー」。
本書は、完訳者あとがきで論じられている通り「参画をし、批判的で(critical)、熟達した(skilled)市民を『作る(make)』」ことを目的として執筆されています。氏が用いるDesign Based Researchが示す介入研究のあり方は、授業や学校のあり方を検討する上で大変重要。講義でも活用させて頂きたいと思います。
2024/4/10
以下をご恵送頂きました。
斉藤眞宏・大坂遊・渡邉巧・草原和博編『セルフスタディを実践する』学文社
全体の構成は以下。第1部「教師教育者の専門性開発としてのセルフスタディ」、第2部「大学における教師教育者のセルフスタディー大学で教師を育てるー」、第3部「学校・教員養成機関における教師教育者のセルフスタディー専門講座で教師教育者を育てるー」、第4部「教師教育者の実践事例1ー学校内部で同僚教員を育てるー」、第5部「教師教育者の実践事例2ー専門機関で教師集団を育てるー」、第6部「日本における教師教育とセルフスタディ」。
総勢41名が名を連ね、セルフスタディを議論した書籍。序章では「省察力の高い子どもを育てたいのであれば、教師自身が自らの実践を省察する姿勢を示すことが必要であり、その姿勢の意義・価値を共有するには、教師教育者自身が自らの実践を省察しようとする研究姿勢を開示することが欠かせない」と述べられています。教員養成は様々なフェーズで行われておりますが、関係者の必読文献であると感じました。しっかりと学ばせて頂きたいと思います。
2024/4/8
大学の新年度は各種ガイダンスからスタート。その中で、Novolt(岐阜県若者の選挙意識を高める会)のアナウンスも行います。
本年度は、前代表の井戸さん、ほぼ全ての活動に参加をしてくれている大月さんが担当してくれました。
Novoltの活動方針は「"選挙へ行こう"ではなく、"政治を考えよう"」。岐阜県の行政とコラボしながら、小学校・中学校の政治学習の教材作成、出前授業等を実施。また、選挙の際はマニフェストの分析をはじめとした学生主体の様々な自主企画を行っています。
関係の方々、いつもご支援を賜りありがとうございます。本年度も新たな取り組みが進む様です。引き続き変わらぬご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
2024/4/7
先日は桜の撮影へ。
久しぶりに防湿庫からカメラを取り出し、出かけました。レンズはSumilluxの35ミリ。場所は岐阜県山形市にあるソメイヨシノの桜並木。
色々と挑戦をしましたが、3キロに渡る桜並木を写真におさめるのは至難の業。そこで、前方にピンを設定し、奥行きと柔らかさが表現できる様に努めました。ISO64、F値は4.0、1/1000でトライしました。
それにしても、桜の撮影は難しい。しかし、暫し撮影に集中することで、リフレッシュ出来る時間となりました。
2024/4/5
本日は附属学校で打ち合わせ。本年度、STEAM教育のプロジェクトを立ち上げます。社会科メンバー(高木先生、岩田先生、松尾先生、岸先生、大坪先生)と共に、その打ち合わせを行いました。
今回の対象は前期課程(小学校)。社会科を軸にしながら、他教科との連携も見越しつつ如何なるカリキュラムが創造出来るのか。具体的な授業のアイデアをもとに、議論を行いました。それにしても、社会科メンバーのアイデアと頭の柔らかさは秀逸。フェイクニュース、メディア、絵本、ChatGPT、鑑賞教育、実験・実証、"衝撃映像”の読み解き、等、たくさんの面白いアイデアが出て参りました。
附属社会科の前・後期課程一貫カリキュラムはシティズンシップの育成を中核に置いています。他教科を巻き込みながら、子どもはもちろん、教員も楽しむことが出来る“エージェント”なプロジェクトにして参りたいと思います。附属社会科の先生方、刺激的なプロジェクトに致しましょう!
2024/4/4
先日は、3年間の海外駐在を終えて帰国した前田先生(元カラチ日本人学校)、本年度から海外へ駐在する矢島先生(クアラルンプール日本人学校)と共に、食事。
まずはラーメンを食べながら、2日後に迫った、しかし切迫している矢島先生の出国準備の状況を拝聴。VISAの取得を含め、海外移住の大変さを伺いました。
その後は、近くの喫茶店へ場所を変え、前田先生の3年間の経験を拝聴。日本の教育・社会の特徴や課題と共に多くの“駐在あるある”が。海外で暮らす大変さと面白さを納得しながら伺いました。
お二人とも、10年来、共に多くの実践・研究を進めてきた仲間でございます。短い時間ではありましたが、エネルギーを頂くことの出来た、幸せな時間でした。前田先生、矢島先生、引き続き繋がって参りましょう!
2024/4/2
以下の書籍をご恵送賜りました。
加藤寿朗、梅津正美、前田健一、新見直子著『子どもの社会的思考力・判断力の発達と授業開発ー歴史的分野を中心としてー』風間書房
社会科教育学と発達心理学の研究者らがコラボした書籍。章構成は、第1部「子どもの社会的思考力・判断力を捉える視点ー社会認識と社会科ー」、第2部「子供の社会的思考力・判断力の発達ー横断的・縦断的な調査を通してー」、第3部「子どもの社会的思考力・判断力の発達と授業ー社会科授業実践を通してー」。
歴史的分野において、子どもの社会的思考力や判断力をどのように考えることができるのか。また、その発達や促進、成長を如何に捉えるのか。それらを実際の授業結果をもとにデータで論証しております。例えば、帰納的推論、演繹的推論、価値判断や意思決定を子どもは如何に行い、それが学年とともに成長するのか(しないのか)。大変興味深い内容でございます。大学の講義でも活用させて頂きたく存じます。ありがとうございました。
2024/4/1
新年度。少しずつ桜も咲きはじめました。
当方の趣味の一つは写真。ただ、最近はカメラを持ち出すことが少なくなり、携帯で写真を撮ることが多くなってまいりました。桜を撮ることは難しい。以前はこの季節、桜だけで数百枚の写真を撮っていました。
ツーリングついでに、桜の写真を。と、研究室のパソコンに向かいながら計画を。叶うかどうかはさておき、それを考える時間が楽しいのかもしれません。
何にしても、4月初旬が纏う空気感は特別。関係の方々とともに、本年度も色々と取り組みたいと思います。引き続き、ご指導よろしくお願い申し上げます。
2024/3/29
愛知県知立東高等学校の増井先生が来学。増井先生とは、「総合的な探究の時間」のカリキュラム作りをはじめ、それと社会系教科の接続のあり方を考えるなど、いろいろとコラボをさせて頂きました。その期間、6年間。共に学校現場に根差した実践や教育のあり方を考えさせて頂き、多くのことを学ばせて頂きました。
今回はその思い出を語りながら、新しい可能性を模索する打ち合わせを行いました。
打ち合わせの途中では、探究の成果の話も。生徒が作成したパワポを拝見させて頂き、その問題設定(生徒が立てた問い)の面白さと、それに伴う探究過程の精度の高さを学ばせて頂きました。“増井マジック”が如何に生徒の自律的な学びを誘うのか。引き続き学ばせて頂きたいと思います。増井先生、今後ともよろしくお願いいたします。
2024/3/27
先日は卒業式。我がゼミからも4名が無事卒業いたしました。
岐阜大学10年目のゼミ(1年間英国駐在がありましたので、ゼミとしては1期分抜けています)。学生の議論を核にしつつ、各自の研究を進めてゆくスタイルは当初より変わっておりません。ゼミの場では、互いに建設的なコメントをする。もしくは、一緒に悩み、考える。この繰り返しの中で、卒論を進めてゆきます。
つまり、我がゼミは、常にゼミ生に支えられながらの運営。それは卒論だけでなく、研究室で行う諸活動も同様です。私一人では不十分なことも多く、本年度も四人には本当に多くのことを助けてもらいました。
いつも卒業の時は一抹の寂しさを覚えます。ただ、我がゼミは卒業後もつながって参ります。全く遠慮をすることなく、いつでも大学へ戻ってきてほしいと思います。卒業、おめでとう!
2024/3/25
以下の論文が刊行されました。
「社会的レリバンスを構築する社会科公民の授業開発ー子どもの未来イメージに着目してー」岐阜大学研究紀要、第72巻2号、pp.21-30
未来社会を構想する視点として、「可能性の提示(シュッツ)」に着目し、レリバンスの構築を検討したものになります。細田守監督の映画「竜とそばかすの姫」を題材とした授業を実践し、教師の考えたレリバンス(主題的レリバンス)と授業後に子どもが捉えたレリバンス(解釈的レリバンス)の関係を示しながら、未来イメージに着目した社会科授業の可能性を検討しました。
岩橋先生(兵庫県青雲高校)、行寿先生(福井県美浜中学校)、中山先生(愛知県春日井高校)、福田先生(兵庫教育大学)、吉水先生(兵庫教育大学)との共同研究でございます。ご関心がございましたら、サラッとご一読頂けましたら幸いです。
2024/3/22
以下の書籍をご恵送賜りました。
社会科の理念と授業を考える会編『子どもの心理と教育内容の論理を結びつけた社会科授業』風間書房、2024
木村博一先生(広島大学)の退官記念とし、ゼミ生らが集い、執筆、刊行された書籍になります。
全体の構成は以下となっています。第1章「子どもの論理と教育内容の論理を結びつけた(全章ここまで同じ文言ですので、以下では…で示します)授業論の歴史的発展」、第2章「…授業方略」、第3章「…地域学習」、第4章「…地理・産業学習」、第5章「…歴史・公民学習」。"子どもの心理と教育内容"という視点から、全29節構成。多くの実践が掲載されております。
木村先生は、私の博士論文の副査でもありました。そのため、当該の視点をベースに、多くのご指導を頂いた「思い出(・・・と申しますか、厳しく辛い、しかし暖かい記憶?)」もございます。しっかりと拝読、勉強をさせて頂きたく存じます。ありがとうございました。
2024/3/20
本日は、青山学院大学で開催されている日本地理学会へ。志村先生(上越教育大学)、伊藤先生(鳴門教育大学)らが進めているGeoCapabilitiesのシンポへ参加を致しました。
テーマは、「国際地理教育界におけるカリキュラムとペタゴジーをめぐる研究の展望」。ユトレヒト大学のBeneker氏のキーノートからスタートしました。
興味深かったのは、"Connecting 'Knowledge in Geography Education: Reflections from a GeoCapabilities perspective”と題して発表された氏の知識論、社会論、また彼女が語る、所謂"discipliine"に対する考え方が、ほぼシティズンシップと同様であったこと。特に、経験的思考と認識論的思考の往還を、移民やRefugeeなどを通して考える授業(を通して示された教育や学び、知識の考え方)は、それと大きくリンクするものでした。
所謂capability approachでは、旧来のdisciplineの領域や境界を組み直す可能性があります。Powerful Knowledgeのパワフルの定義、知識の定義も組み替えられてゆく。井田先生(筑波大学)がコメントされた「進化するジオ・ケイパビリティーズ」という視点に合点し、当方としてはこの「進化」に共感する一方で、一部で権力闘争が再び起こるだろうなあ、とも感じました。とても学びの多いシンポでした。
2024/3/16
カイルア地区にある高校を訪問。数年来、共に仕事を進めている友人と会い、打ち合わせ。有意義な会議でございました。
もちろん、打ち合わせがメインです。・・・が、少しの合間(もちろん、隙間時間でございます)で学校から車で10分のLanikai Beachへ。一度訪れてみたかった場所です。
初めての訪問でしたが、驚くほどに透明度が高く、美しいビーチ。暫し波を見ながらコーヒーを。リラックスが出来た時間でございました。
2024/3/15
先日は、宮城教育大学上廣倫理教育アカデミーの運営委員会。出張中につき、オンラインで参加をさせて頂きました。
メインは本年度の事業報告のリフレクションや次年度の事業計画等についての議論。宮教は行政と連携をしながら、全教や大学講義、教員研修、学生の自主サークルなどでP4Cを扱っています。その機能的な枠組みを学ばせて頂きました。
また、12月に仙台三越代表取締役社長も迎えて行われた「“探究の対話”研究会」は、180名を超える参加があったとのこと。教育関係者以外への広がりを含め、地域に根差した大きな広がりを感じました。
研究はもちろんですが、それを下支えする組織マネジメントのありかた等、多くのことを学ばせて頂けた会議でございました。関係の方々、ありがとうございました。(オンラインで参加をいたしましたので、写真は宿泊をしているハワイ大学構内の様子です)
2024/3/14
先日は、ワイキキにある小学校へ。2024年度から当該小学校との新しい共同研究プロジェクトがスタートします。その打ち合わせを行いました。
現地、朝6時45分集合。時差ぼけにはちょうど良い時間ですが、ハワイの朝は早い。頂いた"スパムにぎり"を食べながら、有意義なミーティングでした。
終了後は、社会科の授業を見学(というか、参加)。その後、子どもたちと共にfileld tripへ。皆でHula Showを見学しました。
このショーはハワイの伝統を長年紡ぎ、継承する一つのムーブメント。所得格差が広がるハワイにおいて、約80年間無料で提供してきたことにもその意義があります。ただ、資金面の調整が出来ず、閉鎖とのこと。伝統文化を紡ぐ(理論ではなく実態的な)難しさと、それに対する市民の関わり方(支援、無関心を含めて)、教育が持つ可能性を社会科教員と議論をしながら、ショーを拝見しました(この社会科教員は、当日ローカルニュースの取材を受け、自身の思いを語っておられました。それも彼女の「社会的責任」かなあ、と感じました)。
2024/3/12
科研でハワイに来ております。初日は、空港から直接、調査先の学校へ。
色々なタスクがありますが、メインはホノルルにある学校へ何度も通い、色々と調査をさせて頂きます。滞在期間は1週間弱。授業の見学やインタビューなど、初日は細かなスケジュールを調整しました。
いつも心がけていることの一つは、“現地に入り込ませて頂くこと”。ハワイには10年以上関わらせて頂いていますが、"データをもらう”だけでは分からないことが多い。様々な雑談の中で垣間見られる学校、教員の苦労や辛さ、また嬉しい瞬間。それらを共有出来ることが共同研究の醍醐味です。文化人類学者のギアツ的"厚い記述”となる様、今回も先方との関係を大事に、色々と学びたいと思います。
それにしても、初日は眠い。。。年齢を重ねてきたためか、最近、機内ではほとんど眠れず。。。友人のハワイ大学の教員からも、「ノボル、大丈夫か?何言ってるか、わからないよ」とも言われてしまいました。ハワイの温かく、緩やかな空気を吸い、体を適応させたいと思います。
2024/3/10
先日は、附属学校との打ち合わせ。後期課程担当の岸先生、大坪先生が来学してくれました。
現在、附属(特に社会科)は、シティズンシップを中核に据えたカリキュラムをデザインし、進めています。本年度の結果や現状の課題などを共有しながら、次年度の戦略を立てました。
次年度は、シティズンシップの評価がターゲット。オーセンティック・アセスメントを社会科の中で如何に"現実的(実態的)に"ドライブさせるのか。理論を含めて検討をいたしました。
それにしても、驚いたのは、岸先生、大坪先生の機動力。先日附属へこの話をしたところ、自身らで評価フレームの原案を作成し、サンプルで調査・分析も行い、結果と共に示してくれました。このスピード感は本当に素晴らしい!その結果を見ても、面白い展開になりそうです。岸先生、大坪先生、引き続き、よろしくお願いいたします。
2024/3/9
先日は、岐阜大学グローカル推進機構にて動画の撮影でした。
過日、以下が公開されました。
https://www.gu-glocal.com/distribution/view/195/
今回は、シリーズもののご依頼を頂き、シティズンシップ教育についてお話をさせて頂くこととなりました。
今回は、その第1回目の撮影。シティズンシップ教育の理論編とし、市民や社会の考え方、それらと教育の関係などを整理。論点の当て方(絞り方)が難しく少し難儀しましたが、なんとか終了。色々と考えた結果、シリーズのテーマは、「私たちは如何に社会と向き合うことが出来るのか?」といたしました。公開されましたら、本ブログでもご紹介をさせて頂きます。暫しお待ちくださいませ。
2024/3/6
日曜日は、朝の礼拝へ。地域の文化や息吹を直に感じることができるため、海外出張中は、よくその土地の教会へ行きます。
教会の雰囲気は地域で異なりますので、その空気感を味合うことが目的の一つ。加えて、神父(牧師)の話も楽しみの一つです。今回は英国郵便局で起きた冤罪事件や、ガザ、ロシアの話など。論点は、平和や正義を如何に考えたら良いのか、私たちには何ができるのか、等でした。
Radwimps的に言えば「愛にできることはまだあるかい」という話かもしれません。熱を込めて語る姿からは、私自身も色々と感じ、考えることができました。
2024/3/1
英国(イングランド)には教科としてシティズンシップ(公民的な内容を扱う領域)があります。ただ、様々な制約や条件(教員養成との絡みを含めて)が重なり、学校内での地位は高くないことが多くあります。
ただ、こちらの研究者と話しをしていると、その状況が「悪くはない」という意見も。"民主主義の危機”に直面している現在、シティズンシップ教育は非常に重要。しかし、その責任を一教科が担うと、本来は学校全体を通して行うはずの民主主義教育が衰退してしまう(他教科が民主主義教育から距離を置いてしまう)場合もあると。ただ、シティズンシップの様な教科が公的に設置されている制度設計には意味がある。同時に、特定の領域が常に社会・市民を扱い続けることにも大きな意義があります。教科(というか、教育)の社会的責任については、自身も長く考え続けているテーマでもあり、色々と議論を交わしました。
なかなか難しい問いですが、各々が背負う思想や価値観は複雑で、制度(やその設計思想)を批判するロジックも多様です。あまりにも大きな問いで、互いに考え込みながらの対話でした(もちろん、その対話自体が楽しいものでもありました)。
頭が悶々としている中、市場で使えなくなってしまった旧紙幣を新紙幣へ交換するため、Bank of England(写真)へ。簡単に交換できるとのweb情報でしたが、「どこで手に入れたお札か」「職業は何だ(どのように稼いだお金か)」「新紙幣へ交換した後の使い道は」など、意図が不明な質問攻めに。。。結果、紙幣の交換は出来ましたが、渡英後初の快晴とは裏腹に、さらに悶々と致しました。
2024/2/29
英国出張。色々な予定がありますが、本日はInstitute of Education, University college of Londonへ。
2018-2019年の駐在中より図書館を使えるように申請を継続しております。ここは教育系専門の図書館で、日本では手に入らない様々な文献資料をオンラインで読むことが出来ます。もちろん、日本からも請求をすれば読むことが出来ますが、手続きが煩雑。効率的に資料を収集することが可能ですので、時間があれば図書館へ篭り、集中的に資料を集めます。
司書の方と雑談(というか、資料収集をより効率的に進めるための交渉)をしている中で、久しぶりの感覚が。こちらでは(部屋の電球を変えてもらうことだけでも)日常的に交渉が求められますが、そのベースがコミュニケーション。相手が言語化しない主張の裏側を探り、そこへの対応を明示的に含めた会話が必要です。それが面倒ではありますが、反面、コミュニケーションの面白さでもあります。結果、両者の落とし所がみつかり、交渉は無事成立。ヴィトゲンシュタイン的な大家は出しませんが、この感覚が面白い。異なる言語が纏う、しかし共通の前提を共有・確認しながら言葉を紡ぎ、重ねてゆく、ワクワクした感覚を思い出しました。
2024/2/28
科研(不合意:dissensuss:と折り合いをつける過程を活用した授業開発研究方法論)の仕事で英国出張。久しぶりに自身の研究要務です。
日本から英国へは、従来11時間程度のフライトでした。ただ、近年は諸般の事情で北回り。途中での給油はありませんが、所謂「アンカレッジ経由」です。
今回の飛行時間は、(予定よりも少し早まって)14時間超え。おかげで、なかなか普段手をつけることを避けていた事務処理的なペーパーワークが捗りました。・・・が、それにしても長いフライト。せっかく渡英して参りましたので、しっかりと自身の仕事を進めたいと思います。
2024/2/25
牡蠣が美味しい季節。今年もたくさんの牡蠣を頂きました。(Nさん、ありがとうございます!)
殻剥きの腕前は上達しましたが、未だ身を綺麗な状態ですくうことが出来ないことも多々。"個体差を如何に見極めるか(外観から内部の構造をいかに予想し、ナイフを入れるか)”という点には奥深さを感じます(感じるだけで、上手くはいきませんが)。
感謝を胸に、美味しく頂きたいと思います。
2024/2/23
先日は、赤泊小学校(新潟県佐渡島)と白川郷学園(岐阜県)を繋いだ授業。2月16日の" 延長戦”として行いました。
テーマは、前回を引き継ぎ、"世界遺産をどう考えるか”。p4cの対話は、「誰が、なぜ我慢をするのか」という問いから始まり、「我慢とは」「我慢は不幸なのか」「(世界遺産登録に伴うメリットの有無が導出する)不平等はどのように解消出来るのか」「(メリット・デメリットの)公平な分配は可能か」「公平・平等・公正とは」・・・など、多様な視点で対話が展開しました。
赤泊小学校の校長先生のコメントが以下に掲載されています(http://akadomari-es.sado.ed.jp/activ.html)
授業後に行った研究会では、川上先生(赤泊)から子どもが話していた「難しかった!」「色々な意見を聞けて楽しかった」というコメントが。澤之向先生(白川郷)からは、子どもの振り返りで「難しいことが楽しかった」というコメントも。
現実社会は難しい。それを無理やり単純化して理解することは暴力性を伴います。今回の対話は、社会のリアルに真正面から向き合い、そこから目をそらさずに考えました。その結果、社会の複雑さを体感。しかし、そこへ向き合い、考えることの楽しさも実感してくれた様子。私自身も、難しさを楽しむことが出来ました。
今回もとても良いチームで展開出来たことに感謝致しております。関係の先生方、またやりましょう!ご関心のある方はご一報くださいませ。ぜひ繋がってまいりましょう。
2024/2/21
少し時間が経ってしまいましたが、、、過日は卒業論文発表会。我がゼミは4名が登壇いたしました。タイトルは以下。
・シビックプライドの醸成を基盤とした主権者教育の研究
・新科目「公共」における社会科教育研究―ユルゲン・ハーバーマスの公共圏の在り方を援用して―
・努力を基準としたライバルの有効性―教育における格差に着目して―
・ローカリティを失ったユース・カルチャー:Z世代とY2Kファッションリバイバル
各論文の概要は以下に掲載しております。
https://www.nobolta.com/education/(「2023年度ゼミ」のページ)
各自、しっかりと自身の問題意識を捉え、1年間対峙してくれました。発表では、オーディエンスに伝わる様、前を向いて発表・説明。立派にこなしてくれました。皆さん、ご苦労様でした。
2024/2/19
すでに帰国をしておりますが、折角なのでシンガポール調査について。
目的の一つは、National University of Singaporeでの調査。色々な用事がありましたが、STEAMについても段々とわかって参りました。過日調査を行った香港とは異なり、STEMが中心であることや、国内での認知度があまり高くないこと。及び、カリキュラムや授業デザインにおいては、教科(教師)の裁量が大きいこと等、興味深い点が多数ありました。
最も興味を惹かれたのは、学内にwild monkeyが出没する(!)という話。写真はシンガポール大学のキャンパス内ですが、ジャングル的な場所も多々あります(しかし、面白いことにwifiはしっかりキャッチ出来る)。残念ながら自身は遭遇出来ませんでしたので、次回を期待したいと思います。
2024/2/18
先日は、佐渡の赤泊小学校(川上先生)と岐阜の白川郷学園(澤之向先生)を繋いだ授業。テーマは世界遺産。高木先生(土岐津中学校)、岸先生・大坪先生・岩田先生(岐阜大附属)が参加。私はシンガポールから繋ぎました。
まずは赤泊の子どもが立てた問い「観光客はどんな気持ちをもって世界遺産の観光に来ているのか?」からスタート。観光地が観光地たる所以(その"場所”はどのように観光地を演じているのか、また、それは誰が、誰のために)を如何に考えれば良いのか、考えてゆきました。
そこから自然な流れで白川郷の子どもが立てた問い「世界遺産って誰のためになるの?誰にとっての幸せのためなの?」へと推移。様々な視点が出され、対話が展開。最後は"だれかのために「我慢」をすることの意味”を対話しました。詳細は以下(2月16日の記事)に記載されていますので、是非!赤泊小学校の校長先生がライブ中継のように記しております。授業の展開がよくわかります。
http://akadomari-es.sado.ed.jp/activ.html
予定の1時間を超えてしまいましたが、時間が全く足らない。子ども達からのリクエストで延長戦が決まりました。とても刺激的な時間。授業後に研究会を行いましたが、先生方も前のめりで参画。私自身も学びの多い時間でした。
2024/2/16
博士課程の仕事でシンガポールへ来ております。今回のタスクは、STEAM教育の調査。本日はNational Institute of Educationにて、複数の教員へ聞き取り調査を行いました。
もちろん、その仕事も致しました。
・・・が、盛り上がったのは、授業におけるdialogicalな学びのあり方の議論。私の英語論文も読んでくださっており、P4Cが如何に教科のロジックと絡み、子どもが授業で見せる"学ぶフリ(演技)”を解体できるのか、についてランチの時間を含めて長時間の議論(ただ、当方はメキシカンのラップ料理を注文。これがちょっと失敗・・・。さまざまな具材をセルフで巻きながら、しかも議論は哲学的。ちょっと大変でした・・・)。しかも、1人はカルチュラル・スタディーズにも関心があるとのこと。シンガポールの教科学習の状況と合わせて、議論をすることができました。
アジアを繋げて共同研究を行うアイデアも出てまいりました。米国系の社会正義的なアプローチではなく、異なる方法で進めてゆきます。大変有益で、ワクワクする議論。個人的にこちらの気候が好きでもありますので、しばらくシンガポールへ通いたいと思います。
2024/2/15
先日は、岐阜県選挙管理委員会との会議。Novolt(民主主義の階段を登る会。旧称:岐阜県若者の選挙意識を高める会)が、県選管と共同で主権者教育の教材(岐阜県下の全中学生へ配布)を作成しています。
https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/348346.pdf
毎年改訂を重ねておりますが、本年度は指導案も作成。より学校現場へリーチ出来る様、作戦会議を行いました。
Novoltの頭脳が集まり、何度も指導案を検討。主に選挙前用と選挙後用の2パターンを作成しています。完成後は公開を予定しておりますので、また本ブログでご報告申し上げます。
2024/2/14
以下にコメントが掲載されました。
「自民党の裏金問題 政治監視、問われる覚悟」
2月11日岐阜新聞 東京版(全国版)
様々な議論がなされておりますが、多くは制度や政治家の規範、法整備が論点となっています。少し視点を変えて、市民(我々)に着目し、コメントをさせて頂きました。
ポイントは、"市民(我々)の覚悟" です。ご関心があれば、ご一読くださいませ。
2024/2/13
先日は、2名の博士課程の最終審査会へ参加。1名は副指導教官、もう1名は審査委員として関わらせて頂いております。両者ともに家庭科を軸に、金融や経済教育について研究を進めておられます。
両者ともに大変興味深く、多くのことを学ばせて頂きました。一方は、家庭科と公共の融合。単なる教科領域や範域のクロスではなく、人間発達の視点から多層的にコンピテンシーを設定し、その育成を捉える研究でした。
もう一方は、小学校を対象とした金融経済教育。1年間をかけて実践・データ収集をした研究。子どもの変化をその理由と共に中長期的に追いかけ、子どもの実態(特に金融系の認識、資質能力)からカリキュラムを考えるものでした。両者ともに画面越しに発表者の緊張が伝わってきましたが、質疑応答を含めて良い研究発表。自身も多くの気付きを頂くことが出来ました。
2024/2/12
「三連休ってなんやねん!」と思っておられる方。大丈夫、私も同感です。共に頑張って参りましょう。
せめてもの抗いとして、3日共に大型バイクで(遠回りをしながら)出勤。ツーリングの隙間に仕事、というマインドです。
ただ、あまりにも久しぶりに乗ったからか、排気系から異音が。どうやらインテークマニーホールドからオイルが漏れている様子。。。吸排気を中心に燃調しているのでそれが原因か、シールの破損か、エンジン自体か。最近は125ccばかり乗っていたので、拗ねてしまったのでしょう。基本的には自身で整備をしますので、どこかでゆっくり向き合ってあげたいと思います。
2024/2/9
先日は共同研究の打ち合わせ。豊田先生(新潟大学)、西山先生(開智国際大学)と共に、現在進めているプロジェクトである、国際共同研究についての会議でした。
如何にして我々のプロジェクトを国際的な文脈にのせ、対話を生み出すか。色々と戦略を検討致しました。
向かうベクトルの設定の仕方で、会議は大きく変わってきます。“共通の敵”を生み出すことに意味はありません。共に歩むコミュニティーを如何に創るか。建設的な会議となり、今後の展開が楽しみとなりました。豊田さん、西山さん、感謝!引き続き、よろしくお願いいたします。
2024/2/7
本日は、明るい選挙推進岐阜県中央研修会。私は推進協議会委員として参加をさせて頂きました。
講演者は吉村先生(宮崎大学)。テーマは「より良い出前授業の実施」。投票率の実情、若者意識とその背景、近年の学校・教育の現状と動向、各種行政が学校と関わる考え方等、多くのことを学ばせて頂きました。
もちろん会も有益でしたが、その前にコソッと吉村先生と合流し、飛騨牛をつまみに色々とお話が出来たことが楽しい時間でした(当方からお誘いをしておきながら、吉村先輩にご馳走になってしまいました!)。教育・研究を含め、昔の思い出話や趣味の話など、色々と刺激を頂くことが出来ました。吉村先生、楽しい時間をありがとうございました。
2024/2/6
今週は卒業論文最終試験(研究発表会)があります。本日は、その対策。各自が卒論の概要を示したレジュメ、及び発表スライドを作成し、議論しました。
発表は伝え方が重要です。自身が「言いたいこと」を一方向的に伝えるのではなく、オーディエンスがどのように自身の論を捉え、理解してくれるのかが大事になります。そのための振る舞いを含めて、考えました。
発表を楽しみにしたいと思います。みなさん、頑張ってください。
2024/2/4
以下で、イベントを開催いたします。
2024年2月24日(土)12:30-14:00
@広島大学 マーメイドカフェ
9月に東京大学出版会から『対話的教育論の探究ー子どもの哲学が描く民主的な社会ー』を刊行いたしました。その出版記念イベントになります。
本書の情報は以下にございます。試し読みも可能です。
https://www.utp.or.jp/book/b10033303.html
登壇者は、川口先生(広島大学)、豊田先生(新潟大学)、土屋先生(開智国際大学)。本書を如何に読むことが出来るのか、対話をしたいと思います。(私は参加が叶いません。。。)
ポスターに加え、詳細は以下にもございます。ご関心のあるかたは、ぜひ!
https://sites.google.com/view/p4c-syuppan-event/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0?authuser=0
2024/1/31
卒論提出日。我がゼミ4名、無事提出が完了しました。よかった!
論文概要は後ほどアップいたしますが、全員、ギリギリまで粘り、内容の検討を続けてくれました。暫し、ゆっくりと休んでほしいと思います。ご苦労様でした。また、支えてくださったゼミの先輩方、ご指導ありがとうございました。
あとは、最終試験。引き続き、頑張って参りましょう!
2024/1/29
先日の大学講義(学生が授業をデザインし、実践するもの)。高3倫理をターゲットにした模擬授業でした。テーマは、「社会正義について哲学しよう」です。
全体を通して、アファーマティブ・アクションをめぐる社会的論争について考えるもの。まずは、サッカーワールドカップにおける女性審判登用という事例の検討からスタート。リベラリズムにみられる放任派と平等派の論点整理を踏まえ、ロールズの正義論を用いて、“多様性の論理”を解体してゆきます。
授業は時間の関係上ここでストップでしたが、本来はその後にコミュニタリアンの議論をネタに、“補償の論理”を議論する授業でした。
人々の行動(特に正義感)の背後にある思想や理念を暴き、それを議論する授業。世間ではさまざまな「正義」が溢れ、社会を、そして我々を締め付けています。それらを分析するきっかけになるという意味においても、とても面白いものでした。
2024/1/26
ゼミ卒業生の小栗さん(現、京都教育大学講師)が来学してくれました。
学生の相談に乗って頂きたく、連絡。忙しい中、仕事の合間に立ち寄ってくれました。学生からの相談へは、的確かつ、適切に回答。数年前、この部屋でゼミ生と共に議論していたことを懐かしく思い出しつつ、その姿につい見惚れるほどでした。
小栗さん、ありがとうございました。またいつでも遊びに来てください。
2024/1/24
本日岐阜は大雪。大学も白銀の世界となりました。
教育学部棟の近くに変わったものが。近づいてみると、社会科講座の(卒論提出を間近に控えた!)4年生が熱心に製作中。
「通常、雪だるまは2段。だから私たちは3段でつくりました」とのこと。社会科らしいマインドが存分に発揮された、素晴らしいsnowmanが出来上がっていました。
しばし近くでその光景を眺めた後、学生と共に写真撮影。良い時間でした。
2024/1/21
この週末は、大学院の博士課程候補認定試験。副査として関わらせて頂いている学生分として、参加をさせて頂きました。
テーマは、地理教育。Powerful Knowledge、Geocapabilityなどの研究成果を踏まえた初等地理教育に関する改革論研究。如何に、日本の地理教育(中でも地誌領域)を考え、授業において子どもの自律的な探究を促すか、議論が行われました。特に、地誌、かつ初等で行うという点に魅力がございます。
すでに一部公刊されている業績もございますが、とても刺激的かつ可能性を感じる研究で、今後の展開が楽しみになりました。
2024/1/19
本日は、開智日本橋学園にて、P4Cカリキュラム研究会を開催。土屋先生(開智国際大学)にコーディネートを頂き、西山先生(同大学)、渡邉先生(立教大学)、川口先生(広島大学)、田中先生(広大大学院)、阿部先生(新潟大学)、都内の高校教員らが参加の下、実施致しました。
道徳の授業を3つ参観(我々も対話に参加)。生徒が立てた、“友達のライン(境界)”、“恋人の作り方”、“自分磨きとは”、という問いをそれぞれ対話しました。
当学園には、哲学対話の専門スタッフがおります。さすがのファシリテートで、前者2つは主に人との関係性のあり方、後者は、自身に軸を置いた他者の位置付け(を、生徒が板書をしながらファリシしてゆく!)、などの対話が展開されました。教師の立ち振る舞い、対話における教科担任と学級担任の関係、学校における対話のカリマネ等、多くのことを勉強させて頂きました。
授業研究会の後は、プロジェクト会議。次年度は新潟と鹿児島での開催が決定しました。ご関心のある方へはお声がけをさせて頂きたいと思います。関係の方々、引き続きよろしくお願いいたします。
2023/1/16
先日は、岐阜大学グローカル推進機構のYさんと打ち合わせ。昨年夏に研究紹介(GU Research)として、1本動画が公開されました。その続編の相談でした。
前回は、「社会科教育学とは?-教育は『洗脳』の道具か?-」とし、自身の研究(テーマは社会科としておりますが、教育学研究の特質に近いかもしれません)について話しをさせて頂きました。本ブログでは紹介出来ておりませんでしたが、以下から視聴可能です(無料の登録が必要でございます)。
https://www.gu-glocal.com/distribution/view/195/
次回は、シティズンシップ教育について。連載動画になりますので、ちゃんと考えないといけません(もちろん、いつもちゃんと考えております)。2月から撮影スタートですので、出来るだけ面白くなるよう、構成を検討したいと思います。
2023/1/11
大学講義。授業実践論という講義では、学生がサブカルなどを使いながら授業をデザインし、実践します。本日の講義では、高1公共、表現の自由を考える授業でした。
授業は、Legalize Itのラップからスタート。その後、"表現の不自由展”、サンリオキャラクター、有害図書、過度に性的なキャラクターを使用した広告、SNSでの誹謗中傷、映画の上映禁止などを事例に、「実際に認められている・認められていない」軸と、「自分は認められない・認められる」軸からなる象限に分類。その判断基準を議論する授業でした。
授業後のディスカッションでは、色々な課題も上がってまいりました。しかし、大変興味深い内容で、私自身、学生のアイデアを借りて(パクって?)、どこかで実践してみたいと思う授業でした。実践した皆さん、ご苦労様でした!
2023/1/9
本日は、豊田先生(新潟大学)、西山先生(開智国際大学)との会議。現在進めている新プロジェクトについての打ち合わせでした。
昨年10月頃から進めている国際研究のプロジェクトが一旦難しい状況となり、立て直すためのミーティング。建設的な会議となり、改めて仲間に支えられていることを実感致しました。
会議中、豊田研究室では地震が。メインはプロジェクトの会議ですが、今回の被災を如何に考え、我々には何が出来るのか。そのようなことも考えながら会議は進みました。
お二人とも、めちゃくちゃ忙しい日常にも関わらず、気軽に連絡をとりながら、議論を進めることが出来ます。そのような仲間と共に研究・仕事を進めることが出来ていることに感謝しております。プロジェクトメンバーの方々。軌道修正が出来ましたので、近日中にご連絡をさせて頂きます。引き続き、楽しく進めてまりましょう!
2024/1/6
鈴木先生(明治大学)より、以下をご恵送賜りました。
John Storey著、鈴木健、越智博美訳『ポップ・カルチャー批評の理論ー現代思想とカルチュラル・スタディーズ』小鳥遊書房、2023
19言語に翻訳されてきた、英国カルスタの名著。待望の日本語訳です。ベースは思想史ですが、文化主義、マルクス主義、精神分析、ポストモダニズム等の批評方法論を丁寧に論じつつ、それらの視点でジェンダー、人種、階級、差別、偏見など可視化されにくい領域を如何に捉えることが出来るのか。実践的に考えてゆきます。
日本のカルスタを批判的に捉える文脈でも重要な文献。BLM、#MeTooなどを含めた様々な社会現象を読み解く、一つの指針となる本です。鈴木先生、ありがとうございました!
2024/1/5
本日は、横浜在住のゼミ卒業生、名畑夫妻が大学へ来てくれました。近況報告と合わせて、横浜の学校事情や教員事情等、色々とお話しを伺うことが出来ました。
こちらからの依頼事項もありましたが、ご快諾。共に関わって頂けることに感謝致しております。
ゼミ生が大学へ戻ってきてくれることは、とても嬉しいことです。当時の記憶(一生懸命ヴィゴツキーと向き合っていたなあ、等)を思い出し、懐かしくなりました。また、いつでも戻ってきてほしいと思います。
2024/1/1
新年、明けましておめでとうございます。
本ブログも11年目。日々、多くの方々に支えて頂き、様々な活動を継続的に進めることが出来ておりますことに感謝申し上げます。
本年もタイパに抗いつつ、自身がやるべきことに向き合ってまいりたいと思います。ポイントは、“動機の共有”。志を共有する仲間と共に色々な挑戦を進めてまいります。
本年も、何卒ご指導・ご鞭撻、そしてご支援の程、よろしくお願い申し上げます。共に、楽しい一年にしてまいりましょう!
(過去blogは以下からアクセス可能です)